第13話 穴
満たされない
満たされない
この心が欲しがりなのか
それともカラカラに渇いているのか
分からない
分からない
常に体の中を吹き抜ける風
この飢餓感がどこから来るのか
自分自身ですら
掴むことのない内側を
鋭い爪でかきむしられているみたい
もどかしいほどに求めている
何かを
この穴を埋めてくれる何かを
欲しい、欲しいと求めている
寒い、寒いと叫んでいる
塞ぐことのできない
無造作にあいた穴は
今日も風にさらされて
分からない何かを待っている
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