プリンセス＆ナイト ~破壊剣士と追放王女~

幕間 『巻物』

　カイがマリアートで神父と戦った際に手に入れた巻物には以下のことが記されていた。

邪神

　ゼウス率いる神々が世界を統治する以前から世界を支配していた神々。そのトップがクロノス。独裁性が強く、それを嫌ったゼウスなど息子によって天界を追い出されることになる。

　クロノスは戦力を徐々に蓄（たくわ）えていき、ついにゼウス達と再び刃（やいば）を交（まじ）えるも、邪神勢力は敗退しクロノスはタルタロスへと落とされることになった。

　しかし、残存勢力は今もどこかで暗躍しているようだ。

邪神勢力

　邪神クロノスが生み出した化物のなかには戦後３万年経つ今も存在している物がいる。さらにその中でもっとも危険なのが邪神竜。一匹しかいないがゼウス達が束（たば）になっても倒すことは出来ず、封印（ふういん）することにしたのだった。

　他にもオーガ、巨人族などいたようだが、現存（げんぞん）しているかは不明。

神々のその後

　邪神との争いから神々はゼウスを含めた十二神を中心に据（す）えた新たな統治を始める。その新たな改革の一つに神器があった。我々魔神教が所持している二つの魔神器を含め、この世界には１４の神器が存在する。鍛造（たんぞう）の神『ヘファイストス』が作った武器に天使と魔神の身体と魂（たましい）の一部が封（ふう）じ込（こ）められている。

　我々の持っていた魔神器は『嫉妬（レヴィアタン）』、『憤怒（サタン）』。そのどちらも実験施設で魔力が暴走した被検体（ひけんたい）によって奪取（だっしゅ）されてしまった。

　残り１２の神器について現状把握している事

『七大魔神』

『傲慢（ルシファー）』

　大天使の長（おさ）だったが神に反逆（はんぎゃく）し天界から追放された天使。『傲慢（ごうまん）』を司る。見た目は不明。神器は片手剣。能力は『覇者（はしゃ）』、１キロメートル四方（しほう）の範囲内で、文字通り誰にも負けることはない。しかし、能力が強力なぶん、制限時間や後遺症（こういしょう）もあるようだが、解明されていない。

　所持者・不明

『憤怒（サタン）』

　ルシファーに次いで強いとされている堕天使（だてんし）だが、怒りの度合（どあ）いによっては『傲慢（ルシファー）』を超（こ）える力を発揮（はっき）する。神器はフィストの形状をしている。所持者は不明だが、施設の関係者が持ち逃げした可能性が高い。

　所持者・不明

『嫉妬（レヴィアタン）』

　『嫉妬（しっと）』を司（つうかさど）る魔神。本来は全長１キロメートルに及（およ）ぶ蛇（へび）のような外見だが、しばしば大人の女性としての姿を持っている。神器は魔導書（まどうしょ）。神器の能力は『破滅の波（ディザスター）』、魔力で生成した大量の水を大地に叩きつけ、地面をえぐるほどの威力がある。水量は術者の魔力量次第。

　所持者・ティアラ

『強欲（マモン）』

　『強欲（ごうよく）』を司る魔神。見た目はゴブリンだったとされている。神器は指輪の形状をしている。神器の能力は『皆は一人のために（オール・フォー・ワン）』、見た能力を模倣（もほう）できる。術者の魔力量によっては発動できない物もある。

　所持者・不明

『暴食（ベルゼブブ）』

　『暴食（ぼうしょく）』を司る魔神。見た目は普通の堕天使だが、諸説（しょせつ）ではハエだとされている（私的には堕天使が良い）。神器は伸縮自在（しんしゅくじざい）の巾着（きんちゃく）（？）らしい。神器の能力は『我が身に（グラトニー）』、巾着で物体を捕食（ほしょく）するほど全ての能力値が上がっていく。

　能力値の上昇は一時的な物だが詳しくは知らない。

　所持者・不明

『色欲（アスモデウス）』

　『色欲（しきよく）』を司る魔神。見た目はサキュバスである。『契約（けいやく）の書（しょ）』を作ったとされている。

　神器は黒色の光沢を放つダガー。

　能力は『虜（ラスト）』、特定の相手に対して強制力のある魔法を発する。

　魔法を発動するには魔法陣（まほうじん）を地面に施（ほどこ）す必要があり、その効果範囲も魔法陣から直径３キロメートルが限度（げんど）。術者（じゅつしゃ）を倒したり、魔法陣を消すことで効果はなくなる。

　所持者・不明

『怠惰（ベルフェゴール）』

　『怠惰（たいだ）』を司る魔神。姿・形には様々な説がある。もともとあまり伝承（でんしょう）として語り継（つ）がれていることは多くはない。神器についても不明である。

　所持者・不明

『七大天使』

　見た目はほとんどが天使の一言なので割愛（かつあい）する。

　また、神器の能力についても調べがついていないところが多い。

『ミカエル』

　天使の中で最も位（くらい）が高く、神からの恩恵（おんけい）も絶大である。ゼウスからの恩恵が大きく、神器もそれを反映していると考えられる。神器は黄金色の片手剣。能力は『雷（イカヅチ）』、雷系統（かみなりけいとう）の魔法を強化する。

　所持者・ダグラス＝レレイ

『ガブリエル』

　天使の中でも数少ない女性の姿をしている。神器は魔導書。

　所持者・不明

『サリエル』

　全てが不明。

　所持者・不明

『ラファエル』

　神器は鎚（ハンマー）。能力は解明されていないが、所持者の情報収集の過程（かてい）で筋力上昇との関（かかわ）りがあると考えている。

　所持者・ゴルナーク＝ヘブンミリア

『ウリエル』

　神器は巨大な盾（たて）。能力は『絶対守護（バリア）』、魔力で結界を生成することで、敵の攻撃を完全に防ぐ。結界の中にいる味方は徐々（じょじょ）に体力が回復し、傷が癒（いや）されるとされている。

　所持者・セルカ＝ヘブンミリア

『メタトロン』

　神器は指輪（ゆびわ）。つけていても特にこれといった変化がないらしいが、今までの所持者は英雄（えいゆう）として語り継がれている。

　所持者・不明

『アズライール』

　男神であり、天使の中では大罪を犯したとされている。

　神器は弓。

　能力は『大天使（だいてんし）の息吹（いぶき）』、魔力を風に変えるシンプルな物だが、その威力はどんな防御も意味をなさないとされている。

　『ウリエルの盾』が唯一（ゆいいつ）破られたことがあるという記述もある。

　その風を操（あやつ）る姿から『風神（ウェンティ）』として恐れられている。

　所持者・不明

　いまだ謎も多く、全ての謎を解き明かすことは不可能に近い。

　しかし、世界の終焉までにはすべてを解明しないといけない。

　邪神に立ち向かうには神、魔神、天使の協力が不可欠なのだから……