episode 1 ー突然のプロポーズー

『僕と結婚しようよ。』


耳障りのいい少し低め声がする。


…なんだこれは、プロポーズか?


いや夢か。

…私は夢に見るほど結婚がしたいのだろうか。


6年付き合ったからってまだ22歳ですが。

結婚するには少し早いんじゃないの。


『ねぇ、僕と結婚しようよ。』


カーテンからの日差しが眩しい。

隙間から伸びた一筋の光はちょうど目のあたりを照らしていて瞼の奥がチカチカする。


まだ覚醒しきらない頭を必死に動かそうと試みる。


瞼をかすかに開くと同時に見慣れた白い天井が少しだけ見えた。


『ねぇ聞いてる?僕と結婚して。』



ーーーー声が違う。


「…。」


止まっていた頭が一気に動き出した。



******



「何言ってんの、五十嵐。私彼氏いるんだけど。」



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