第56話 「そうじゃない」
【56】
「こちら側のどこからでも切れます」という表示に従い、さっきから醤油の入った小袋と格闘しているのだが、一向に開く気配が無い。ぐむむ……と力むと、ようやく袋の端が裂け、そして……中身に到達する直前で止まった。「あああ! もう!」なるほど、確かにこちら側を使うとキレた。
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