第32話 Answerer《回答するモノ》

 前回までのあらすじ!!

 聖剣フラガラッハの本当の意味は『Answererアンサラー回答するモノ』と言う意味が籠められていた。それによって聖剣フラガラッハの剣身に封じ込まれし、魔神サタナキアは本当のことしか言えないのだという……



「(ぐすっ)すんすん……うぇっええんっ」

「(え~っと、何この状況は??? 何でいきなり天音の意思を乗っ取ってるサタナキアさんが泣いてるの?)」


 いきなりの初っ端で意味が解らないと思うが、オレの目の前で天音の中にいるサタナキアさんが泣いてるんだよね。それに天音が右手の持ってる『聖剣フラガラッハ』の剣先が地面に刺さってるけど、あれは大丈夫なのか???

 体感的には12日ぶりにやっとの思いで「本編再開だっ♪」と喜んでいたオレだったが、まさかこんな事で出鼻を挫かれることになろうとは夢にも思わなかった。前回第31話から1行(実質6行くらい?)の間に一体何があったというのだ? 「もし知ってるよ♪」って人がいたら是非ともオレに教えてくれよな!


「お仕置き怖いのじゃ竹光|(ぐすっ)……ビニ剣|(すんすん)……。わらわはもう一言も喋りたくないのじゃ。しょんぼり」

「はぁ……お仕置き、ね」

(つまり31話から32話の間で、サタナキアの身に何かしらの出来事があったという認識でおkなの?)

※作者が裏チート機能(作者権限)をフルに活用し物語の時間軸すらも停止フリーズさせたため、主人公は第31.6話の存在を知りません。


「(ってかサタナキアが喋ってくれないと話が前に進まないんだけど、オレはどうすればいいんだよ……)」


 オレが考えあぐねているとプルルルゥ~♪ プルルルゥ~♪ っと、どこからか機械音が聞こえてきた。


「はい。もしもし静音ですけど、ええ。はい。はい……」

 

 どうやらまた静音さんのスマートなフォーンかよ。一体あれはどうゆう仕組みで動いてるんだ? だってさ、オレのなんかこれだぜ。


『少し旅に出ます。探さないでください』


 なんてスマホ画面にずっと表示されてんだぞ。しかもアンテナなんかそもそもマイナス表示だしさ。あっ今「マイナス表示ってなんだよ(笑)と草生やしまくっただろ。こんなオレでもそれくらい読者の気持ちは分かるんだぜ♪

 本来ならアンテナ3本あって上中下みたいにあるよね? それが無くなってて、『-6』とか表示されてんだわ。みんなも「おいおい、それは……」って感じだろ? そもそもこの世界は何なんだ? 電子機器スマホに悪い電波でも発生しているのかな? ってかまだ静音さんは電話してんのか? すごく長くねぇか?


「えっ? はぁ…はい。それでは本人に代わりますので、少々お待ちくださいね」

「本人???」


 静音さんは通話途中のスマホ片手に天音もとい、魔神サタナキアの元へ歩み寄る。


「うん? どうしたあ……いや静音よ?」

「サナ……いえ、サタナキアさんにお電話です」

(はっ? 魔神に電話? 誰から? ……ってヤツしかいねえよな)


「一体誰からの電話なのじゃ! 今の妾は誰ともはな……」

「作者の方からです」

「ななななな、なんじゃとーっ!? か、貸せ!|アイよようそれを貸さぬか!」


 天音もといサタナキアさんは、操ってる天音ごと自分の本体である『聖剣フラガラッハ』をぶんぶんと上下に振りながらすっごく慌てていた。静音さんは右手にスマホを持ったまま、サタナキアの本体である剣へと差し向ける。

 いやいや、この光景はあまりにもシュールすぎるぞ。だって操られている天音は瞳に色も力もなく、その場に佇んでいた。はっきり言ってかなり怖い。


「さ、作者殿か妾じゃ! なななな、何の用なのじゃ(がたがたぶるぶる)」


 天音が持ってるフラガラッハの剣身がすごく震えてるんですけど。魔神サタナキアなんだろ? 何をそんなに恐れてるんだよ。


「(ぼそぼそ、ぼそぼそ……)」


 少し離れているので、会話の内容は聞こえなかったが、『竹光』とか『ビニ剣』って単語が聞こえたような気が……


「ええいっ!! そんなことは分かっておるわ! さっさと物語を進めればよいのであろうに!? うぇ゛っ!? い、いや、これは決して反発とかではないぞ!? だ、だから違うと言うに!! わ、妾にお仕置きなぞもう用済みなのじゃ! ……ふ、ふむ。わかればよいのじゃ……っ!? なんとそれはまことかぇ作者殿!! 妾この大役を今まで以上に頑張るからのぉ♪」


 とても長話しがやっとこさ終わったようだ。ってかやっぱり作者からの電話かよ。作者は暇なのか? 電話する暇があるなら執筆でもしやがれってんだ!

※ただいましております 作者より


「ほれ静音、電話は終わったぞ。早ようそのすまーとふぉんとやらを仕舞って、持ち場に戻るがよい」

「ちっ。相変わらず生意気ですねサナは……」


 お主ほどではないわ……と静音さんとサタナキアとの会話が終了して、静音さんは元の立ち位置に戻る。何これは? ヤラセなの??? 何でイチイチその『持ち場』とやらに戻るんだいお前さん達は!?


「さて気を取り直して小僧よ! ここいらで話のおさらいをするぞ。妾の本体である『聖剣フラガラッハ』には『報復者』と『回答者』と言う2つの意味が籠められていると言うたの? してそれが妾が嘘を吐けぬ理由なのだとも……」

「あ、ああ…そ、そうだな!」

(そういえばそうだったな。すっごく余計な話ばかりでそのことを今の今まですっぱり忘れてたわ)


「小僧、絶対忘れていたであろう。勢いで賛同しておれば適当に誤魔化せるとでも思うておるのじゃろうに? 違うかぇ?」

「ぐはっ!?」


 オレは本音を見抜かれ、すごく動揺してしまう。その動揺具合を表すならば、森でハンカチを拾ってクマに追いかける勢いかもしれなかった。


「まぁ良い。妾にもその責任はあるのじゃ。気にするでないぞよ」

「(ほっ。また剣で首チョンパされそうになるのかとヒヤヒヤしたぜ)」


 オレは額のいらぬ冷や汗を拭いながら、サタナキアの言葉を聞くことにした。


「しての小僧よ。『回答者』という意味は、そのモノに質問をすれば絶対的に何でも答えてくれるモノと、逆に回答者である妾が質問をすればそのモノは絶対にそれに答えなければならないという、2つの意味があるのじゃ。しかるに妾は嘘を吐けぬしまた妾が質問したモノも、また嘘を吐けぬのじゃ」


「それって『すべてを知るモノ』って認識でいいのか?」

「まぁ簡単に言えばそうゆうことになるかのぉ。ほぉほぉほぉ(ごほっごほっ)」


 いや、そんな変な笑い方を無理にするからむせるんだよ。何で最後物知りおじいさんみたいな笑いをしてんだよ?


「あ、あまり無理をするのはいかんのぉ~」


 何か急におばあちゃんみたいなこと言い始めたぞこの魔神さん。語尾を伸ばすから余計にそう感じてしまう。


「……してご飯の話じゃったかのぉ~」


 うん、それプラス本当ほんまもん痴呆ボケも出てらっしゃるね! ってか剣がご飯食べるのか!? し、シュールすぎんだろその絵図らは!


「おおうっ!? そうじゃったそうじゃった!! アイ……い|今は静音だったか? 妾の質問に答えるがよい!!」

「っ!?」


 静音さんはそう言われ、何を聞かれるのかと身構えていた。


「お主……今まで何人殺してきたのじゃ? さぁ答えよ……」

(えっ? 静音さんが人を殺してきただって!? そ、そんなバカな話があるのかよ……)


「答えよ静音!! お主はこれまで何人のヒトをあやめてきたのじゃ!!」

「…………」


 サタナキアからそう問われている静音さんは左手を右肘で支え俯いたまま、その質問には答えなかった。


「どうした答えぬか! この妾『魔神サタナキア』及び『回答者』の意味合いを持つ『聖剣フラガラッハ』が問うておるのじゃぞ!! お主もこの意味は重々承知なはずじゃぞ」

「…………」


 オレは二人のやり取りの間に入ることができなかった。何故なら静音さんが人を殺したという事に動揺を隠せなかったからだ。それが例え『嘘』でも……『真実』だったとしても……。


「答えよというに!!」

「…………よく覚えておりません」

「嘘を申すでない!! 今のお主はこの物語の管理人とやらなのであろう? ならば、しかと覚えておるはずじゃ。答えよ……」

「………です」


 静音さんは答えたが、その声があまりにも小さくて何と言ったのか、オレの耳には聞こえなかった。


「もっと大きな声で申せ!」

「覚えている限りで……1万657人……です」


 ……えっ? い、今静音さんはなんていったんだ? 1万? 657人? なんだそれ? 1万657人!? それだけの人を殺してきたというのか!? この静音さんが!?



 お話の続きを気にしつつ、第33話へとつづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る