第7話  天野凛②

 夜ご飯を食べに下に降りてきた俺は隣に妹の春香、正面に凛が座るように座っていた。最初は自分の部屋のこともあってあまり味のしない夜ご飯だったが徐々においしいご飯へと変わっていった。

 しゃべりながら食べ進めていると春香が凛に聞いた。


「ねぇねぇ凛さんてさ勉強できたりする?」


「まぁそれなりには……」


 凛は真帆みたいに優秀ではないが定期テストでは一学年300人近くいる中で20位くらいなのでかなり出来る方なのだ。因みに俺は150位くらいで普通なのだが。


「ならさぁ、お兄ちゃんに勉強教えてやってよ!」


「おい妹よ、凛が困ってるじゃないか。そもそも勉強なんてひとりでできるだろ?」


 春香は俺をなめているのか? 馬鹿にしているのか? あ、意味同じようなものだった。

 正直言うと、春香の提案にはかなり魅力的なものがあるのだが、誰かに教えてもらうほど出来ないわけでもない。なので凛が断ってくれると丸く収まるのだが……。


「分かった。目標50位で良い?」


「うん!お願いします!」


 マジかよ、オッケーしちゃったよ。てか50位とかきつくね? もうちょい下げても良いんじゃ……。


「なんかいやそうな顔。分かった、50位とったら私が準にキスしてあげる。これならやる?」


「分かった。今の言葉忘れんなよ」


「あ、うん。分かった」


 よしやってやろうじゃないの~! キスはしてもらいたいからなぁ。がんばらなければ……。

 そんな約束をしているうちに俺たちは夜ご飯を食べ終わっていた。


「じゃあ春香。俺凛を家に送ってくるから」


「分かった~。じゃあ凛さん、勉強のことよろしくおねがいします」


「うん、了解」


 そう言って俺は凛を家に送るために家を出た。ここは電灯があるため、真っ暗ではないものの、一人で歩くには危険である。


 歩いていると、一つ疑問が浮かんできた。まだほかの二人にも聞いてないことだったが凛に聞くことにした。


「凛てさ、俺のどこが好きなの?」


「凛の好きなところ? たくさんあるけど一つね。……努力家なところかな」


「うん。準とはさ、中学からの同級生でほとんど話したことなかったけど私はいつも準の方を見てたんだ」


 え!? マジか! いつも見られてたのか。結構恥ずかしいな、と俺は少し顔を赤くする。凛も少し真っ赤なのが分かる。


「準さ、バスケ部だったじゃん? 一生懸命練習してた。でもレギュラーになれなくて悔しそうにしてた。でもね、いつも放課後とか残ったりコートのある公園とかいってひたすら練習してたの。それを見てね好きになっちゃったの」


 うわぁ、完全に見られてたのか。というか誰かに見られてると思ってたけど凛だったのか。すげぇ恥ずかしいな。でも、悪い気はしなかった。


「はい。これで終わり! 着いちゃったし」


「お、おぉ。じゃあな凛、お休み」


「うん。お休み」


 なんだ、いつもクールなやつだと思ってたけどふつうにえがおになったりするんだな。でも、かわいいと思う。ギャップ萌えってやつなのかなぁ。


 凛を家に送った俺は、家に帰った。そして、すぐに寝てしまった。








―――――――――――――――――――――――――――――――――――――








 さて、いかがだったでしょうか。凛デート編終わりです。凛のところだけ時間の進みが遅い気もしますが次は三人を平等に書こうと思います。


 この小説を読んで応援しても良いぞって方フォロー、コメントくれると嬉しいです。じかいをお楽しみに。

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