第41話
「……ということがあったのですが、皆さんはどう思いますか?」
5時のクラン会議。
集まったメンバーに対し、私は昨日の出来事を伝えました。
「デスペナざまぁって「ぺぺさん、それ二番煎じなんでもういいです」て、てめぇ……!」
「……早い者、勝ち」
まぁこの人には元より期待していなかったので置いておきましょう。普段からぺぺさんの頭が足りない分はロンチーノさんが補っていますし、本命はロンチーノさんです。
「デスペナの重症化……ってなるとやっぱりデスペナが世界観として組み込まれてるとは思うんだけど……こういうのってある程度進まないと原理については分からなかったりするからなぁ〜」
デスペナが世界観に組み込まれている……成る程、そういうこともあるんですね。覚えておきましょう。
「ありがとうございます、ぺぺさんと違って役立ちました」
「それはなにより」
「てめぇモ、コロナ! さっきから俺のこと馬鹿にしてるだろ!?」
馬鹿にしてますが?
と言うよりも実際そうでしょう?
「じゃあ何かしら意見出してください」
「んぉ!? お、おう、出してやるよ。ちょっと待ってろよ」
そう言うとぺぺさんは何やらぶつぶつと呟きながら考え始めました。
よし、これでしばらくは静かになるでしょう。扱いやすくて非常に助かります。
「トーカとラピスは何かある?」
この子たちは常に発狂したようなテンションの下、少し直感だよりで生きているようなところがありますが、それはそれで違った意見が出るのではないかと期待しています。
狂人の洞察力とも言う。
「はいっ!」
「はいラピス」
「私も初めて遭った時にびぃわいぶい? 抑制剤ってやつを使われたけど、そこまで吐き気はありませんでした! あと、デスペナも増えてません!」
ほほう?となるとデスペナ増加は〈アルス・マグナ〉が原因ということでしょうか。
吐き気に関しては……重人だから? 重人なら真の姿の強制解除もありませんしね。
しかしそうなるとデスペナ増加が抑制剤の効力の可能性も完全に切り捨てられはしないです。うーん、悩ましい。
「成る程……ありがとラピス。役に立った」
「やった!」
「トーカは?」
「特にはないかなぁ……。ごめん」
「問題なし、だいじょびだよ」
さてさてぺぺさんは……まだ悩み中ですか。まあ放っておきましょう。
「じゃあ今日のところは昨日とほとんど同じってことにしましょう。ぺぺさんとロンチーノさんはラピス達と合流してレベリング、私は引き続きエイブラハムの調査ということで」
「りょーかい」
「……りょ」
「了解ですっ!」
「おっけー!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「デスペナの増加……ってことは……いや、けどそれだと……あれ? あいつらどこ行きやがった!?」
コロナ達が解散した後も1人悩み続けていたぺぺは反応がないため置いていかれたのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
さて、エイブラハムのところに行くならまた液体窒素が必要ですが……
「ゴアさん、ログインしてませんでしたか」
日曜日ならログインしてる可能性は高いと思ったのですが……まぁ、仕方ないですね。ならば今日は気になっていた事を試すとしましょう。
イベントでプレーンさんに首チョンパされた際、実は落とされた首も見聞きが出来ていました。
そのことから私は「ショゴスの身体は1つである必要はない」のではないかと考えます。
つまり……
「えーと、取り敢えず5人でいきましょうか」
手足を切り離し、それぞれを人型にします。もちろん、胴体だけになった方の身体も手足を生やします。
ふむ、どうやら無事に成功したようですね。影分身(物理)って感じでしょうか。
ステータスは、っと……
────────────────
PN名:コロナ(33)
Lv:11
種族:ショゴス(捕食:通常9特殊1)
所持トゥル:0トゥル(借:10230トゥル)
職業:瀆神者
副業:支配者
HP:821
MP:741
STR:83
CON:62
SIZ:44+10+10+10+10(10)
DEX:37(13)
APP:ー(21)
POW:72
AGI:40(15)
TEC:7(9)
VIT:7
LUK:ー(276)
※()内は人間時
スキル
・〈ショゴス〉
・〈経験値取得不可〉
・〈魔法取得不可〉
・〈清掃Lv歪〉
・〈相喰嘲身〉
・〈餓鬼哀々〉
装備(人間時)
頭:白無垢の仮面
右手:叢雲
左手:無し
胴:アリエルの夜宴礼装
脚:アリエルの夜宴礼装
足:無し
アクセサリ:ヌトセ=カームブレのアミュレット
装備(真の姿)
・無し
称号
[初めての発狂]
[血縁喰らい]
[百万の恵まれたるものの継承候補]
[庭師のお気に入り]
[庭師との邂逅]
[初代ショゴスプレイヤー]
[狂気の体現者]
[アイドル]
[魔術師]
[色の支配者]
[外道]
[第1回イベント覇者]
[魔導図書館司書]
[狂気を飼い慣らすもの]
[白無垢の巫女]
[名状し難き誓約者]
[下克上]
[神に仇なすもの]
────────────────
うっわ、サイズ以外変化なしですよ。さすがブッ壊れ種族って感じです。しかも、SIZ10毎に1人分身が出来るみたいです。
「取り敢えず……えい」
分身の1人を叢雲で撫で斬りにします。さしもの私もVRで自分に斬られる経験は初めてですよ。
「HP減少量は……164、丁度5分の1ですね」
どうも受けるダメージは(最大HP/分身人数)が上限、それだけのダメージを受けると分身は消えるようです。
ただ、最大HPが5分の1とSIZが5減少しています。デスヒールに期待ですね。
ということで
「ほいっ」
サクッとと自刃しま……
「……?」
おっとまさかこれは…いえ、確かにそうなりますね。流石ブッ壊れです。
「悪いことできそうですねぇ……」
おっと悪い笑みが。
こういう時だけ表情が出るのは悪癖ですね。
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