Iridescent Nightmare6



マップを確認すると、私のマーカーがデカデカと表示されていました。すごく目立っています。


さらに、レン高原には私の他に9つのマーカーが、って全員じゃないですか。メンバーはこんな感じです。


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1位:コロナ 216500pt


2位:ブラックサバス 16800pt


3位:ラピス 13600pt


4位:斧の小町 13500pt


5位:乱BOW 13100pt


6位:ミラ 12600pt


7位:ロンチーノ12200pt


8位:電子オレンジ 11900pt


9位:Sカルゴ 11300pt


10位:あああああ 10900pt


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「……」



ウチの妹は掛け算も出来ないのかとか、なんで君がここにいるんだとか、10位の人の名前がとか言いたいことはたくさんありますが、まずこれでしょう。



「これってもしかしなくても、実質私vs他全員になりますよね……?」



だって私を倒した時点で2位が確定ですから。


……MPないんだけどなぁ。

懐のランプイモリが慰めるように擦り寄ってきますが、君も原因の一端をになってるんだよ?



「いたぞっ! てけりちゃんだっ!」



「全員でかかれ、ラストアタック取ったやつが2位だ!」



「恨みっこ無しだぞお前らぁ!」



うわぁ、もう来ました。80人くらいいますよあれ。一対多ならショゴス形態+触手全開が安パイですかね。



「ぎゃあ! 美少女がショゴスになった、ギャップが酷い!」



「でけぇなオイ!」



「逆を言えば的が大きくなったんだ、魔法で包囲殲滅しろ!」



着々と数を増やし、そろそろ3桁の見えてきたコロナ討伐隊ですが連携はイマイチです。包囲出来ていませんし、魔法発動のタイミングもバラバラです。


プレーンさんに心の中でお礼を言いつつ、停滞キューブから大量に購入しておいた剣を取り出します。



「マジか、てけりちゃん全部斬り払ったぞ!?」



「うっそだろ、マジックパリィ出来んのなんてロンチーノくらいって話じゃねぇのか!?」



あ、やっぱり名前被りとかではなくあのロンチーノなんですね。


とりあえず、手近にいたパンの子の男性を掴みハンマーのヘッド代わりに振り回します。そーれ、ばしーんばしーん。



「ぶげえっ!」



「距離をとれ! 吹き飛ばされるぞ!」



「ありがとうございますっっっ!!」



投げ捨てたパンの子が何故かお礼とともに吹き飛んでいきました。


あ、最後の簡易魔法書も残ってますね。最弱の魔法【ファイヤーボール】

ですし、自分に使っておきましょう。


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アリエルの夜宴礼装

使用可能魔術クトゥグァの招来/退散


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はい? え、なんで神格の招来/退散になるんですか? 最弱の魔法ですよ?

……今は置いておきましょう。あぁ、一旦置いている問題が山積みです。



「ちょっと、今私に当たりそうになったんだけど!」



「仕方ねぇだろ! こんだけの人数がいるんだ、FFの1つや2つ許容しろ!」



「謝るくらいあってもいいでしょ!」



「お前が射線に入ってきたんだろうが!!」



「何よ、私が悪いっていうの!?」



お、300人近くいるせいでフレンドリーファイアも起こってますね。愉快です。その程度で怒っていてはゴルゴDXで生きていけませんよ?



「【アッドボイス】」



イゴーロナクの混血児の男性が拡声魔法を使い始めました。何をする気でしょう?



『あー、あー。聞こえるかの?私はブラックサバス、掲示板で導師とも呼ばれるものじゃ。このままじゃ時間内にてけりちゃんを倒すことは難しいじゃろう。そこで、その気があるものはワシの指示を聞いてはくれまいか?』



「導師ってあの!?」



「俺は聞くぞ、あの人には世話になったんだ!」



「俺だって!」



「私も!」



多くのプレイヤーがブラックサバスさん?の指揮下に入るようです。随分と慕われていますね。



『感謝するぞい。まずはそこの魔法使いの集団は左右から回り込んでてけりちゃんを囲むのじゃ! タンクはそのアシスト、他のものはヘイト集めじゃ! この戦いはレイド戦と思え!」



「「「「了解!」」」」


あー、どうも有象無象が指導者を手に入れてしまったようです。これはいよいよ奥の手も使わざるを得ないかもしれません。



『よし、囲めたら合図に合わせて魔法を撃つのじゃ! 3、2、1、テェーッッッ!!!』



「「「ファイヤーアロー!」」」



「「「ウインドカッター!」」」



「「「ウォーターボール!」」」



「「「サンダーブレイド!」」」



視界を埋め尽くす魔法の弾幕を前に、私はペットを呼びます。



「起きてください、ナリアちゃん」












瞬間、玉蟲色から宇宙の色が溢れ出し、全ての魔法を喰らった。








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