第253話 中伊豆ワイナリー シャトーT.Sホワイト 甘口2019
自宅に戻って来た柏木洋子は、早速買ってきたワインを開けた。
スクリューキャップだから、簡単に開けられる。
保存にも便利だ。
開けた瞬間、甘くフルーティーな香りがした。
グラスに入れて飲んでみる。
甘口と言う通り、ほんのり甘いのだが決して甘ったるくは無い。
飲みやすく、すっきりしたワイン。
甲州・ナイアガラ・シャルドネ・ソーヴィニヨン・ブラン・リースリングといった複数の葡萄から作られているらしい。
それでも、バランスよくまとまっていて美味しい。
「なるほどね。これはグイグイいけちゃいそうなワインね」
見ると、アルコール度数はワインにしては低い10%。
女性が選ぶだけのことはある。
飲みやすく、親しみやすそうなワインである。
「それにしても、凄い建物だったなぁ・・・」
お城のような建物を思い浮かべながら、グラスを傾ける。
あそこで結婚式を挙げるカップルはどんな人なんだろう?
「あれ?親父、それどうしたの?」
山口貴司がリビングに入ると、父親の勇二が日本酒を飲んでいた。
つまみにしているのは、わさび漬けのようである。
「おう。お客さんがツーリング土産だと言って持ってきてくれたんだ」
「へえ・・・伊豆のお土産?」
パッケージを見る貴司。
「伊豆スカイラインを教えたら早速行ってきたそうだ。さすが、本場のわさび漬けはうまいぞ」
「バイクで伊豆なんて、遠すぎないか?」
「いや、日帰りでも十分行ってこれる距離だぞ」
「ふうん、そうなんだ」
バイクに全く興味のない貴司は、そういうものなのかと聞き流した。
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