第214話 結

 チャペルでの結婚式は粛々と行われた。

 家族と一組ずつの友人だけの小さな結婚式。


 健司と美月らしい、つつましやか。そして、家族も友人も心から祝福してくれる暖かい結婚式であった。


 その、家族・友人にはとっておきの食事とワインでもてなそうと考えていた。

 今日提供するワインは


 スパークリングワイン

  山形県東置賜郡高畠町 高畠ワイナリー

   嘉-yoshi- スパークリング ピノ・シャルドネ


 赤ワイン

  山梨県甲州市 ダイヤモンド酒造

  シャンテ Y.A. マスカット・ベーリーA  結ひ(8)


 白ワイン

  北海道余市郡仁木町 ル・レーヴ・ワイナリー

  MUSUBI 結 2020


 それぞれ貴重なワインだ。

 特に白ワインで用意した”結”はなかなか手に入らないワインで、何とか確保することができた。


 

 思えば、美月と健司の縁はワインが結び付けてくれた。

 結婚の祝いに出すワインとして、ふさわしいワインだと思う。



 ちなみに、健司と美月が好きなワインも用意してある。

  サンサンワイナリー メルロ クラレット 樽熟成

  武蔵ワイナリー   小川小公子


 

「本日は、私たちの結婚式に参加いただき誠にありがとうございます。ここにいる方々には、いくら感謝しても足りないくらいです。ありがとうございます」

 健司が挨拶する。


 乾杯の音頭は、健司がお世話になった先輩にお願いした。


「健司君、美月さん。本日は誠におめでとうございます。

 私は、以前健司君と同じ職場だったものです。

 健司君は、非常に優秀であり勉強熱心で、どんな人にもとても優しい人物です。


 だからこそ、いろいろと大変な時期もありましたが、この度幸せをつかんでいただき本当にうれしく思っております。


 それでは皆さま、乾杯のご唱和をお願いします。

おふたりの前途と、ご両家のますますの繁栄をお祈りしまして、乾杯!」


 スパークリングワインを掲げ、乾杯をする。

 祝宴の始まりである。


 披露宴ではなく、食事会。少人数での堅苦しくない場。

 皆が健司と美月を祝福してくれ、喜んでくれている。


 それが、とても暖かくて素晴らしい祝宴であった。


 

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