第201話 岩手くずまきワイン 蒼(あお)
美月がリビングのソファに突っ伏している。
「うぅ・・・疲れました・・・」
今日、銀行やクレジットカードの名義変更をしたため忙しかったのだ。
これで、名義変更が終わりではない。
いろいろな通販サイトなどの名前やクレジットカード情報の変更が必要である。どうやらたくさんあるらしい。
「お疲れ様、今日はもう切り上げてはどうかな?」
「はい・・・そうしますぅ・・・」
本当に疲れたようである。
美月は健司と違って、引っ越しをしたことが無いようである。
住所変更とかも初めての経験だろう。
健司はグラスを出して美月の前に置き、ワインを注いだ。
今日飲むワインは
岩手県岩手郡葛巻町
(株)岩手くずまきワイン 蒼(あお)
「この香り・・・もしかして・・・?」
「そうだ、小公子を使ったワインだよ」
山ぶどう交配種である「小公子」を100%使ったワイン。
美月の好きな、武蔵ワイナリーの小川小公子と同じだ。
「武蔵ワイナリーより、ちょっと酸味が強いですね。渋みもあります・・」
「同じブドウの品種でも、ワイナリーに寄っても違うし年によっても違うね」
野性味あふれる味わい。
濃厚な果実味。
濃い紫がかった色。
そういうところは共通である。
「そういえば、武蔵ワイナリーがまた新作を出すようだよ」
「え?ほんとですか?」
「今度はシードルらしい」
「うわぁ・・・楽しみです」
お気に入りのワイナリーがあると、その新作は飲んでみたくなる。
そして、ワイナリーに行ってみたくなる。
日本ワインならではの楽しみ方である。
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