第133話 ドメーヌ・テッタ カベルネ・フラン 2019

「うん、おいしいよ。ありがとう」

今日は、なんと美月がご飯を作ってくれた。

ひそかに料理教室に通っていたらしい。

陰ながら努力していたんだね。

本当にうれしい。


合わせたワインは、


岡山県新見市 ドメーヌ・テッタ カベルネ・フラン 2019


「ラベルのイラストがかわいいですね」

ん?かわいい?

ブサ可愛いというんだろうか? イノシシのイラストが描かれている。

グラスに注ぐと、複雑な香り。

口に含むと、酸と苦みとその後に来る果実味と・・・

ピリッとするこの感覚。


「これって、炭酸入っています?」

美月は、味覚が鋭い。

グラスを見ると、細かい気泡が付いている。

「炭酸が含まれているみたいだね。本当に少しだけど」

この味、日本料理にも合う。

「それにしても、本当においしいよ。ありがとう」

「えへへ・・ほめてもらえるとうれしいです・・・」

甘えてくる美月。


なんだかんだと言って、頑張ってくれている恋人を持つ私は幸せなのだ。




さて、食後の洗い物は私がやるとしますか。

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