第82話 閑話 瀬戸家の事情


私は瀬戸ひなた。

女子大に通う大学生です。


今日は日曜日。

洋服を買いに行った帰りです。

最近、私の姉に彼氏ができたようです。

昨晩も、帰ってきませんでした。

どうやら彼氏の家に泊まったようです。

まぁもう24歳のいい大人ですし、いいんですけど。

でも、学生の頃は見るからにオタクのいけてない女子だった姉。

恋愛経験は多分ない。

ちょっと心配です。

騙されていたりしないよね。


もうじき家に着くころ。

外車がやってきて家の近くの道路に停車しました。

助手席から降りてきたのは、私の姉。

満面の笑顔です。

運転席の男性と何か話しています。

「・・・だから、こんなことはもうしないでくださいよ・・・」

「はあい、では来週楽しみにしてますね。」

「はい、じゃあ来週よろしくお願いしますね。」


ウィンドウ越しに見える姿はちょっと年上のようだけど・・・

本当に大丈夫かしら。


走り去っていく、外車に手を振っている姉。

もう、今まで見たことのないくらいの満面の笑顔。


まあ、幸せそうだからいいんだけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る