第76話 共栄堂 K19 AK AK 2019
早速買いましたよ。
早速飲みましたよ。
◇◇◇◇◇
8月中旬の日曜日。
最近、新作のワインがあちこちでリリースされている。
これは特に期待していたワイン。
発売日に2駅先のワインショップで早速購入してきた。
さて、これに合う料理は何をだろう?
駅前のスーパーで、おいしそうなものを見繕うか・・・。
もうすぐスーパーにつく頃に携帯にメールが着信した。
『今日、お邪魔してもいいですか?』
え・・・またですか?
”だめ”と返事を書こうとしたところ、駅の改札を出てきた若い女性と目が合う。
瀬戸さんだった。
「わぁ!偶然ですねー。」
「いや、お邪魔してもいいですかって・・・来る前にメールするもんですって・・」
「会えたからいいじゃないですか。どこに行こうとしてたんですか?」
改札の真ん前にあるスーパーを指さす。
「夕食の買い出しにね・・・」
「いいですね、一緒に買い物しましょう。」
はぁ・・・
「今日は私もワインを持ってきたんですよ。」
「へえ。どんなワインですか?」
「えへへ。デパートで買ってきちゃいました。」
ちらっと見せてくれた。
え?
まじで?
鳥居平今村・・・
この間飲みそこなったワイン。
思わず、瀬戸さんの手を取り言う。
「ありがとう、それは一度飲みたかったワインなんだ。」
「じゃあ、今日はこのワインを飲みますか?」
「せっかくだけど。そのワインを持ってきてくれたお礼に新作のワインをご馳走しましょう。」
スーパーで魚・チーズ・野菜などを買い込んで家に帰る。
鳥居平今村はワインセラーに入れさせてもらう。
「ワインは買ってきてから少し落ち着かせた方がいいんですよ。」
「へえ・・そうだったんですか。」
「今日はこれを飲みましょう。」
山梨県山梨市 共栄堂 K19_AK AK。
まずは料理の前にグラスに注いで何に合わせるか考える。
「きれいな色ですね・・」
「本当だね・・」
ロゼと赤ワインの中間のような。苺を思わせる赤~ピンク色。
口に含んでみる。
さわやかな甘みとそれを包みこまれた酸味。ちょっとだけスパイシーな後味。
甘ったるいことはなく、軽やかな口当たり。
そして香りの変化が楽しい。
ものすごく美味しいワインである。
これは、何に合わせよう・・・。
「私も飲んでいいですか?」
グラスに注いで渡す。
「どうでしょう?何と合わせるか・・」
「いろいろ合いそうですね・・」
とりあえず、いろいろなつまみを作ってワインと合わせてみた。
「うぅ・・これも美味しいですね。」
「このチーズとも合うね。」
おいしいワインだったせいもあるだろう。
ワインの瓶はあっという間に空になってしまったのだった。
◇◇◇◇◇
おいしゅうございました。
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