第57話 車中にて
瀬戸さんは水色のワンピースに白いサンダル。
よく似合っている。
お化粧も含め、結構気合が入っている。
”でも、山道とかはだめだよね。”
ロープウェイに乗るという案をひそかに変更することにする。
自分の服装も、麻のシャツに白いパンツ。
スニーカーを履いているが、山登りには向いていない。
山道ではなくて、見晴らしの良いところ。
どうしようか・・・
「ところで、そこはフランス料理って聞きましたけどおいしいんですか?」
「そうだね。今まで食べたことのあるレストランで一番おいしいよ。」
「それは期待しますね。」
にこにこと笑う。
「夜ご飯は早めだし量も多いから昼ごはんは軽めにしましょうか。」
「そうしたほうがいいですね。」
「そういえば、行きにはワイナリーに寄らないんですか?」
「夏だからね・・車の中は熱くなるから行きに買うとワインが悪くなるからね。」
「なあるほど・・・では帰りに寄るんですね。」
「はい、何軒か寄っていきましょう。もちろんお土産屋さんにも寄りますよ。」
「はい、いちおう自宅にも何か買っていったほうが良いでしょうしね。」
親の許可をもらって旅行だから、お土産がないとまずいだろう・・・どうしよう。
それにしても、観光するところが思いつかない。
遊園地で遊ぶほど時間はないし・・日光とかに寄るには遠いか・・・
まぁ、まずは定番のあそこに行って、そのあとはロープウェイの乗り場近くにも展望台はあったから、そこに行ってみるか・・
そのあとご飯にしよう。
しかし、その時には途中に”あれ”があるのをすっかり忘れていた・・・
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