第306話 カフェでデート

町中を歩くローズとカイルに町の人達はチラチラと目を向ける。


「なんか…凄いいつもより見られてませんか?」


ローズが気になってカイルに聞くと


「ん?何が?」


カイルはニコニコと破顔させローズをずっと見つめている…他の視線など一向に見ていなかった。


「カイル様…ちゃんとお店見てますか?」


ローズが気になって聞くと


「そんなの見てるより俺はこっちを見てる方がいいから…」


ローズの頬をそっと撫でると…


「きゃあぁぁぁ~」


黄色い悲鳴があがった!


「な、なんでしょう!」


ローズが声のした方に目を向けると、数人の女性達が集まって騒いでいた。


「す、素敵ー!この置物ー」


「ほ、本当だーいくらかしらー」


「まー高いわー」


棒読みのような声が返ってきた…


「お店の商品に驚いていたんですね!びっくりしました」


ローズがカイルに笑いかけると


「うん、そうだね」


カイルは聞いているのかニコニコとローズの顔を見つめ続ける。


「ほら、それよりも先に行こうか?この奥に美味しいお菓子が食べれる店があるらしいよ」


「お菓子!」


「いくらでも食べていいから」


カイルの言葉にローズは歩みが思わず早くなってしまった。


そのお店に行くと店内はほぼ満席だったが、外の見えて少し他のテーブルから離れたテーブルが一席だけ#奇跡的__・__#に空いていた。


「ローズ、あの席に座ろうか?」


カイルがローズを先導すると椅子を引いて座らせる。


「ありがとうございます」


ローズがお礼を言って座るとカイルも自分の席に腰掛けた。


「本当に人気ですね!こんないい席が空いててよかった~」


ローズの嬉しそう顔に周りのテーブル客がざわついた!


「ローズ、ほら何にする?」


カイルがメニューをローズに見せると


「うーん…タルトも美味しそう…クッキー…も捨て難い…マフィンにドーナツ…うーん迷うなぁ~」


真剣な顔でメニューを見つめるローズをカイルは見つめた。


「全部頼もうか?」


「えっ…でもそんなに食べられないかも…」


「俺も一緒に食べるよ…それに余ったらお土産にすればバルトなんか喜ぶんじゃないか」


「そうですね!じゃあそうしよう!」


ローズが決まったようなのでカイルは店の人を呼んだ。


目が会った瞬間数人がこちらに早足で来ると…


「「「ご注文を!!」」」


笑顔で二人を見つめる。


「えっ…と一人で大丈夫ですよ?」


三人が同時に注文聞きに来てしまい戸惑っていると…


「ここは私が注文を聞きますわ」


「いえ!私が…ほら、あなたはあっちの客が呼んでますよ」


「先輩~酷いです~ここは私が聞きますから自分の仕事してください~」


なんだか笑顔で話しているが目の奥が笑ってない?


ローズが心配になると…


「ここは公平にじゃんけんしましょ!」


「そうしましょ!はい!じゃんけん」


「ぽん!」


「よっしゃあ~!」


可愛い制服をきた店員さんが雄叫びをあげた…


「あっ!失礼致しました!ご注文どうぞ?」


雄叫びをあげた店員さんがとびっきりの笑顔で微笑んだ。

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