第187話ロイの気持ち

エイミー・ダニエルズのデートもどうにか終えると明日はローズとの日となっていた。


「今日はやけに機嫌がいいな…」


エイミーとのデートを終えて明日に備えていたロイにカイルが声をかける。


「そうか?」


ロイが答えると


「今鼻歌を歌っていたぞ」


「えっ!」


思わず口を押さえる。


「いや、明日はローズだと思うと気を使わなくても良さそうだからな…つい」


ロイが笑って誤魔化すと


「ロイ…正直に言えよ」


カイルが真剣に向き合うと


「ロイはローズの事をどう思っているんだ?」


「ローズの事?そりゃいい友達だと…」


「正直にって言っただろ。俺はローズの事が好きだ、だがお前の事だって大切な親友だと思ってる。俺達何年の付き合いだと思ってるんだよ、ロイの考えてることなんて大体わかるんだからな!」


カイルがロイに詰め寄ると


「お、俺は…ローズの事を…」


カイルを見つめると茶化す事無く真剣に見つめている。


「ローズの事は最初は面白い令嬢だとしか思ってなかった…だけどあの子の事を知るうちに少しずつ惹かれていってしまった…お前の為に会わせたのに…すまん。だが俺はローズとどうこうなるつもりは無いよ、だから安心しろ」


ロイがカイルの肩を叩くと


バシッ!


カイルがロイの手を払い除ける!


「お前何言ってんだよ…」


カイルは怒りのあまりロイを睨みつける。


「カ、カイル…」


ロイは久しぶりにみたカイルの怒る姿に戸惑うと…


「何が俺の為だ!そんな理由で自分の気持ちを封じ込めるな!お前はすぐそうだ、王子だから…次男だから…男だからとすぐになんでも諦めやがって、お前が俺の事を思ってくれてるように俺だってお前には幸せになって貰いたいって思ってるんだ!」


カイルの言葉がロイの胸に突き刺さる。


「カイル、俺がローズを好きになってもいいのか?」


「いいも何もそれを決めるのは俺じゃない!選ぶのはローズだ。俺とお前は対等な立場だろ」


カイルがロイの胸をドンと押すと


「だがな負ける気はないぞ」


カイルがニヤッと笑うと、ロイは驚きカイルを見つめる。


「なんだよ…そんなの顔して…何か言えよ」


「いや…すまん。お前にそこまで言わせて…そうだな確かに俺が好きになったとしても選ぶのはローズだ…一筋縄ではいかない相手だな」


考えただけでも楽しそうだと愉快そうに笑う。


「ああ!恨みっこなしだ。正々堂々と戦おう」


カイルが拳を突き出すと


「はは!戦うのかよ」


ロイも笑いながらカイルの拳に自分の拳を突き合わせる。


「ローズ相手ならそんなもんだろ」


「違いないな」


二人は笑うと


「じゃあお言葉に甘えて明日は全力で挑んでくるわ」


ロイが笑うと


「ふん、玉砕したら慰めてやるよ」


カイルはロイに笑い返した。

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