第180話発表

翌日、お披露目会の結果が言い渡される日となった。


これに受かるといよいよロイ王子と二人きりとなり実質デートをする事となる。


そこでロイ王子の意見も取り入れ最終候補の決定となる予定になっていた。


お披露目会を披露した令嬢達は会場となった広間に集められ待っていると、婚約者候補決めを仕切っている大臣達が顔を出した…


令嬢達は顔を引き締め発表を待っている。


「お待たせしました。これよりお披露目会での合格者を発表致します」


令嬢達が手を組んで懇願するなか、数名の令嬢の名前が呼ばれた…


「まずはキャシー・アイリック」


「当たり前ですね」


他の令嬢達からも拍手とため息が漏れるとキャシーは顔色を変えずに頭を下げた。


拍手が収まると大臣が次を発表する


「続いてエマ・キャンベル、エイミー・ダニエルズ、ジュリア・アンダーソン」


「わぁ!ジュリア様選ばれましたよ!」


取り巻きの一人が騒ぎ出すと


「当然ですわ…コレで落とされるなど令嬢として恥ずかしいです」


そう言うとローズをじっと見つめニヤッと笑った。


すると…


「そしてあと一人…ローズ・タウンゼント」


「やっぱりね、あの踊りを見てなんとも思わない貴族がいるとは思えないわ」


キャシーが自分が呼ばれた時よりも嬉しそうに喜んでいる。


「あ、ありがとう…キャシーも一緒なら心強いわ」


ローズが苦笑していると、ローズの周りに人が集まってくる。


「キャシー様、ローズ様おめでとうございます」


「お二人が選ばれるのなら納得です!ロイ王子とのデート楽しんで下さいね!」


「あ、ありがとう…」


ローズは戸惑いながらもお礼を言うと


「それと…もし良ければロイ王子との甘いひとときを後で少しでもいいので教えてください!」


「あっ!なら私はローズ様とお茶会をもう一度したいです…良かったら男装でも構いませんから…」


恥ずかしそうに言いながら頬を染めている。


「あなたずるいわよ!それ本当はローズ様の男装目当てよね!絶対私も呼びなさい!」


「い、いや…まだ男装するなんて…」


ローズが盛り上がる令嬢達に声をかけようとするがキャシーが肩を叩いて止めると


「今は何を言っても聞こえないわ、それにお茶会するならまずは私とよね?」


キャシーがニコッと笑いかけると


「キャシーまで…」


ローズはなんでこうなったんだと頭を抱え込んだ…


「ではロイ王子との出かける日程は後ほどお知らせ致します。この度残念ならが落ちてしまった皆様は帰り支度の方をよろしくお願い致します」


「はーここまで残ったのに残念だわ」


「でも素敵な方に会えましたから、ここに来て良かったです」


令嬢達は笑顔で頷き合うと


「では、キャシー様、ローズ様お茶会の件よろしくお願い致しますね!」


令嬢達は二人に頭を下げると楽しそうに部屋を後にした。


そんな様子をジュリアは面白くなさそうに睨みつけていた…

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