貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

第131話飛び入り参加

ロイ王子の後に来た方は…前国王、ロイ王子のお爺様…確かフリード様と王妃様。

ローズは頭を下げて微笑むと

「ようこそお越しくださいました。フリード様…王妃様」

ローズは顔を上げて間近でフリード様の顔を見て固まる…

あれ？…何処かで…

「ローズ様」

ジェシカが慌ててローズの脇をつつくと

「あっ…申し訳ございません…えっと…ジェシカ、フリード様と王妃様を席にご案内してください」

ローズがジェシカに声をかけるとフリード様は気にした様子もなく笑って席に座ってくれた。

「ローズ様…大丈夫ですか？」

ロドムが心配そうに声をかけると

「ごめんなさい…どこかで会ったことがある気がして…ってそんなわけないですよね。前国王陛下と私が会う機会なんてありませんから…」

もう一度チラッとフリード様を見ると王妃様と何やらコソコソと話している…その顔にやはり見覚えがある気がしてならなかった。

そんなローズの様子に…

「お義父様…あのご令嬢と何処かで会ったのですか？」

王妃がフリード様に声をかけると

「いや、フリードとしては会ったことなんてないぞ」

ニヤッと笑って答えると…王妃様は誰にも見えないように扇で隠してため息をついた。

ローズは気を取り直して席を見ると…フリード様が最後かと思ったが一つだけ空席がある。

まだ来ていないのは…あのアンダーソン伯爵の席だった…

すると最後の客が到着した…ローズは顔を見ると…

あれ？この方もどこかで？

誰かわからないが同じ様に笑顔で迎え入れると…既に座っていた皆が慌てて席を立った。

「レ、レイン国王陛下！！」

皆が声を出すと…

国王陛下…ってこの国で一番偉い人？

そんな事を考えながら何処で会ったのかと考えていると…

「父上！何故ここに？」

ロイがレイン様に駆け寄った…

お父様って事はやっぱりそうなんだ…お茶会に国王陛下が出席するなんて聞いてないけど…

ローズの顔が固まる。

「ああ、みんなよい。席に着いてくれ」

レイン様は立ち上がったみんなに笑って声をかけると

「どうなさったのですか？」

大臣の一人が声をかけると

「いやなに…アンダーソン伯爵が今回のお茶会に出れなくなってなぁ～一つ席が空いてしまったので代わりに私が出る事となった」

笑って席に座ると大臣が後ろに控える従者の顔を見ると…無言で首を振る。

何を言っても無駄だと言うように…

「さぁ始めようか？」

レイン様は気にすることなくローズに声をかけた。

「は、はい…では、本日は皆様ようこそお越しくださいました。私はお茶会を開くのは初めてでございます…そんな特別なお茶会を皆様と開催出来ることを大変嬉しく思います…至らない点もあるかと思いますが、精一杯おもてなしさせてください」

ローズが頭を下げると

「うむ！私も初めてだから楽しみだ！皆も私の事は気にせずにいつも通り楽にしてくれ」

レイン様が笑うが皆が笑顔を引き攣らせながら微笑んでいた…