第78話 貫禄の無言スパチャ
「えーと、それじゃまず初めに武器を調達します」
出撃前にマップを眺めながらスノウが言った一言に、再びコメント欄にずらーっとコメントが並んでいく。
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『?』
『?』
『なにいってんだこいつ』
『え、丸腰なのこの機体?』
『まあ黙って見てろ』
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『騎士様、この機体丸腰なの? と視聴者の方がおっしゃってますよ』
「あ、いや、そうじゃないです」
そう言ってスノウは自分の機体の武器スロットを開いて見せる。
「見てわかるようにこの機体にはビームライフルとバズーカ砲しか装備してないです。これだと大軍を相手にするのにはちょっと分が悪いので、これから武器を確保しに行こうと思います」
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『えっ、戦場で武器って手に入るもんなん?』
『知らん、【無所属】でやったことないし』
『普通持ち込むだろ』
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コメント欄を見ながら、ディミが疑問をまとめてスノウに告げる。
『戦場で武器って手に入るんですか? というご質問ですが』
「手に入りますよー。えーと、大体このへんかな」
スノウはそう言ってマップの一点を指さす。
「こっちの青い陣営が攻め込んできてますね。ということは武器や物資はトランスポーターで運んできているんですけど、大体前線から下がったこのへんにあるんじゃないかと思います。まず初手でここを潰して武器を調達します」
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『ええ……』
『いきなり強盗する気でクソワロタ』
『これが噂の100%オフセールかぁ……』
『なるほどねぇ! 相手から奪えば持ち込む武器は最小限でいいもんねぇ!』
『いやいや……めっちゃ護衛いるに決まってるやん、ひとりで飛び込むとか死にたいんかコイツ』
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「本当は適当なエースプレイヤーとかいたら、そいつを襲って武器を奪い取ると時短になるんですよね。ライバルとか作っておくと、挑発するだけでいい武器をデリバリーしに来てくれるから便利ですよー。今日はオフラインなのでいないみたいだけど」
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『はあああああああああああ!? 誰がデリバリーじゃボケカスウウウウ!!』
『あっ、アッシュさんちーーっす!!wwww』
『もうすぐ夏のボーナスですねアッシュさん! 何アッシュするんですか!?』
『彼女が呼んでますよ! 早くデリバリーしなくていいんですか!』
『うるせえ雑魚ども死ね!! 今残業中なんだよ! お前らシャインの配信に集中しろや!!』
『残業中に推しの動画を逃さず見ているファンの鑑』
『この配信の内輪感すげーな……』
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本人降臨している様子に噴きかけながら、ディミは必死に笑いを堪えてコメント欄をチェックしていく。ちなみに動画自体はVRポッドを介さずとも、スマホやタブレットから外部アプリを通してリアルタイムで視聴できるようになっている。
一方、コメント欄を見る余裕のないスノウは、たどたどしい様子ながら頑張って解説を続けていた。
「えーとそれで、なんで攻め手のトランスポーターを狙うかというと理由は2つあります。1つは今回攻め手の方が戦力が大きいから。ボクが乱入すること自体が想定外の事態なので、奇襲できます。その際戦力が大きい方を優先して叩いた方が、奇襲というアドバンテージを有効活用できるわけです」
そう言いつつ、スノウは速攻で機体を飛ばして目標地点へ向かう。
迷いなく高速で突っ込んでいく様子に、コメント欄がおおっとどよめいた。
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『どこに敵がいるのかわからんのに、こいつよく突っ込んでいけるな……』
『爽快感あるぅ』
『ふーむ。フライトタイプの全速力はやはりいいものですな』
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シャインはスピードを重視したフライトタイプ機だ。その飛行速度はあらゆるシュバリエの中でも屈指である。
ほんの数十秒ほどフルスロットルで飛ばすと、たちまち見えてくる目標物。
巨大なトランスポーターが、シュバリエたちに守られながら前線を目指して移動していた。その位置は先ほどスノウが指さした場所とピタリと一致している。
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『オイオイ、本当にいたよ……』
『案の定護衛部隊がいるけどどうするつもりなんだ?』
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「はい、いましたね。まずは護衛からいきましょう」
そう呟きつつ、スノウがビームライフル“ミーディアム”をおもむろに抜き撃つ。まっすぐに飛翔する高出力のビームが、敵の有効射程外からまず1騎を撃墜した。
続けざまにもう1発を撃ち、奇襲に怯んだ敵機を撃墜していく。
「あー、今回の敵は弱いですね。どんどん墜としていきましょう。長距離武器を持っていくメリットはここにあって、有効射程の外から確実に狙撃していくことで一方的にボコボコにできます。相手が長距離武器を持ってなければこっちは近付かれるまで安全なので、とてもラクに戦えますね。ぜひ皆さんも真似してください」
朗らかに笑いながら鼻歌でも歌うかのようにトリガーを引けば、次々に敵機が撃ち墜とされていく。それも百発百中で。
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『はえー、簡単に墜とすなあ』
『敵ザッコwww マジで何も反応できてねえwww』
『いいねー俺も長距離武器作ってみよっかな』
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そんな楽観的なコメントが流れる一方で、言葉を失う視聴者も数多くいた。
その大方がスノウライトFCに所属する、打倒シャインを志す“腕利き”たちだ。
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『マネしろ? こいつマジで言ってんのか』
『嘘だろ、今エイムアシストがHUDに表示されなかったぞ……』
『まさかあの距離から目視で当てたのか? あのエイム速度で? ほとんど連射じゃねえかあんなの……』
『速すぎてまるで参考にならねえ。しかも動き回りながらでこれかよ』
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「うーんヘタクソだなあ。敵さん棒立ちですね、こういうのは良くないです。ボクがやってるみたいに、ちゃんと小刻みに機体を動かしましょう」
折しもコメントに反応したかのようにスノウが呟く。その言葉通り、彼女は小刻みに機体を左右に振りながら戦っていた。これは相手がもし長距離武器を持っていた場合に対する保険だ。
空中に立ち止まって狙撃してしまうと、相手の長距離武器による反撃で撃墜される危険が高まる。だから慣れたプレイヤーはどんなときでもそうそう静止することはなく、常に何らかの形で動きながら戦闘を行う。
もちろんそうするとブレも大きくなりエイムに支障をきたすのだが、それを補正するのがエイムアシストだ。コンピュータにエイムをある程度サポートさせることで、移動しながら精度を保った攻撃が可能となる。
しかしスノウは移動は半オートの反復運動に設定し、エイムアシストを切って狙撃していた。“腕利き”のプレイヤーから見ても、異常な集中力とエイム力。
護衛部隊の半分を撃墜したあたりで、残りの敵が中距離まで接近してくる。
一対多数の圧倒的に不利な包囲網。
それに囲まれるよりも先に、シャインが敵に向かって突進してそのうちの1騎に接近する。中距離戦向けのショットガンを構えていた相手は慌ててそれをシャインにぶっ放して牽制!
だがシャインはそれを避けるでもなく、右腕を前に突き出す。
その腕パーツはこれまでの戦いで付けていたものではない。流線形の白い腕に浮かぶ、まるで蜘蛛の巣のように描かれた黒い文様が金属のこすれるような高音を出して輝きを帯びた。
「初仕事だぞ“スパイダー・プレイ”!」
バシュッと音を出して掌から噴き出る粘着糸!
シャインの上半身と同じくらいの範囲に広がったネットが、敵機の放ったショットガンの弾丸を粘つく糸で受け止めていた。それは先の戦いで、ウィドウメイカーが“天狐盛り”のミサイルを食い止めた芸当の再現。
これがウィドウメイカー定員内撃破のMVP報酬として手に入れた腕部パーツ“スパイダー・プレイ”。その掌から放たれる粘着糸は、質量の小さな実体弾程度なら受け止める防御性能を持っている。
まさか受け止められるとは思ってもみなかった相手が硬直した隙に、シャインは肉薄した相手の腕と肩を掴むと、自分が来た方向へと投げ飛ばす。
慌てた他の敵機の攻撃がフレンドリーファイアとなって、投げられた敵機を蜂の巣にした。それを一顧だにせず、シャインは全速力でトランスポーターに取り付いて内部へと侵入した。
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『今の何!?』
『あんなパーツ見たことないんだけど……!?』
『えっ、柔道……? このゲームに投げ技とかあったのか!?』
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ここでもコメント欄の反応は二極化していた。
一方は、いまだかつて見たこともないパーツや技に騒然となる新顔たち。
もう一方は……。
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『おっほwwww アレが例のMVPパーツですか。買い取りを申し出たけど、そりゃ断られて当然ですな。今のウチの財布じゃ買い取れませんぞwww』
『ほほーなるほど。オレんとこのトランスポーターを強襲したときも、ああやって速攻したわけッスか。こりゃ次から長距離武器持たせないとダメッスねー』
『映画見てるみたいで気分いいですわー!』
『なんて手際だ……。そうか、僕も格闘戦を使えば……』
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すっかりスノウに慣れたシャイン熟練者たちが、ワイワイと盛り上がりながら“強盗姫”の手際を品評したり教訓を学んだりしている。
そんなコメント欄の流れをよそに、シャインはささっとハンガーの中の武器を漁ってめぼしいものを装備していた。
「ここがコツなんですけど、あまりじっくりと漁らない方がいいです。何しろ敵が押し寄せてきているので時間がありません。必要なのは近距離武器と中距離武器です。あとはヘビーウェポンも手ごろなのを選びましょう。どうせ使い捨てる前提なので、コレほしいなと思ったのを直感的に選ぶ感じでOKです」
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『空き巣のやり方の説明動画かな?』
『適当といいつつ、しっかり高い武器選んでやがるぞコイツ』
『やっぱり吟味するんじゃないですの!!』
『いや。多分一番性能がよさそうなのを適当に選んだら高い武器ばっかになるということなんじゃないかな』
『ンンンwww さすがの審美眼www いいコーディネートですぞwwww』
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30秒ほどで武器を漁り終わったシャインは、ヘビーウェポンを天井に向ける。
「はい、選び終わったら長居は無用です。トランスポーターを破壊して脱出しましょう」
ガトリングガンが耳をつんざく絶叫を上げ、トランスポーターの天井を粉々に粉砕した。そしてシャインは急上昇し、降り注ぐ天井の破片の中を飛翔して空中へと向かう。
そして振り向きざまに自前のバズーカ砲をトランスポーターの床に向け、躊躇なくドカドカと弾丸をぶちまけた。さらにたった今パチってきた連装ロケットランチャーをトランスポーターの艦橋に向け、連続発射!
たちまち爆発に包まれたトランスポーターは、完全に大破して歩みを止め、その動きを完全に停止する。
トランスポーターの中に入ったスノウを追撃しようとした護衛部隊が爆発に巻き込まれて撃墜されていくのを見ながら、スノウはカメラに向かって微笑んだ。
「脱出するときにトランスポーターは徹底的にぶっ壊しておきましょう。相手の補給拠点を潰しておくことで、リスポーンした相手の戦力を削れます」
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『やべーよこいつ……』
『空き巣かと思ったら放火魔だった』
『山賊でもここまで無慈悲じゃねえぞ』
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シャインの動きは迅速で、留まるところを知らない。
まるで止まったら死ぬとでも言うような動きで、次なる目標に向けて侵攻していく。
「はい、次の目標は攻め手側のリスポーン地点です。大体リスポーン地点には補給施設が併設されていてリスポーンしたばかりの機体を回復できますが、これは徹底的に叩き潰しておきましょう。そうすることでリスポーンの効果を弱めることができますよー」
その言葉通り、奪ってきた豊富なヘビーウェポンで補給施設の設備を手当たり次第にぶっ壊していくシャイン。
段々慣れてきたのか説明も滑らかになってきて、いい調子である。
「さっき攻め手から攻める理由が2つあると言いましたが、2つ目がこれです。攻め手側のリスポーン地点は他所から設備を持ってくる関係上、守り手側よりも防備が甘くなりがちなんですね。なのでこうやって単騎でいけば不意打ちでボコボコにしちゃえるわけです」
そしてスノウの説明が慣れていくのに反比例するように、コメント欄はドン引きしていた。
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『クソ迷惑すぎる……』
『これ戦況の膠着を狙う諜報員の動きだ……』
『戦場の外から裏取りしてくるアホがいると聞いて』
『こんなん完全にもらい事故じゃねーか』
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一方で感心している連中もいるのだが。
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『なるほど。リスポーン地点の設備を破壊することで、敵の戦力を弱めることができるのですわね』
『いい手ッスねえ。どっかで真似できないかな』
『クソがああああああああ!! 1人で楽しそうなことしやがって!!』
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ある程度ぶっ壊したところで、シャインはさらに別のリスポーン地点を探す。
単騎という隠密性と決して立ち止まらない高速移動、そして強奪した重火力による殲滅によって大暴れするシャインは、次々とリスポーン地点を探り当てて設備を叩き壊していった。
「おっと、あのカガチって名前のプレイヤー君はさっき潰した奴ですね。ってことは彼が来た方向にリスポーン地点があるな。えへへ、道案内ご苦労様~♪」
キツネ耳をピコつかせながら、スノウがにっこりと銃口を向ける。
「じゃあもう一度死のうか」
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『完全に悪魔のセリフじゃん』
『溢れ出すメスガキ小悪魔感』
『録音して耳元でエンドレスループしたい』
『助けてママ! こいつら精神状態おかしいよぉ!!』
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嬉々として幾つか目のリスポーン地点を潰していたスノウが、ふとキツネ耳をピコンと跳ね上げて遠くの空を見た。
「あっ、そろそろ敵にボクの存在が認識されたかな? こうなると敵の前線が後退してボクを全力で潰そうとしますので、いい感じのところで逃げましょう。何事もほどほどが肝心ですね」
ほどほどというにはあまりにも破壊されつくした、黒煙を上げる廃墟のど真ん中でスノウはそんなことを言う。
周囲には容赦ないリスキルによって心を折られ、スクラップの中で放心状態になってうずくまる敵プレイヤーがすすり泣くという惨々たる光景であった。
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『ほどほどとは一体……?』
『命乞いするプレイヤーも容赦なく叩き潰したな……ひでえ』
『はぁ? 当たり前だろうが。見逃して後ろから襲われたらどうすんだよ、敵は容赦なくブチ殺すんだよ。ヌルいこと言ってんなよ雑魚どもがよォ!!』
『会員ナンバー3は残業に戻ってどうぞ』
『はい』
『しかし……いい感じのところって、どこで見分けるんだよ』
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コメント欄を流し見ていたディミが、スノウに向かって読み上げる。
『騎士様、いい感じのところってどこで見分けるんですかってコメントが』
そう言われたスノウは、キツネ耳を伏せながら顎をさすった。
無論、シャインを全力でリスポーン拠点から離脱させながら。
「……そう言われても難しいな。まあ、勘……としか言いようがないけど」
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『で、出たー。技術実況で勘とか言っちゃう奴ーーーwwww』
『こいつの感覚頼りすぎて、まったく参考にならねえな』
『いや、高度なセンサーを使えば似たようなことはできるんじゃねえの? さっきからあのキツネ耳ピコピコしてるし、あれホントはセンサーなんだろ? 正直に言えよなー』
『ふうむ? F・C・Sとの連携が断たれているので、ただのスキンのはずなのですがね。しかし確かに高感度センサーがあれば、敵の動きを察知することでシャイン氏と同じことができるかもしれませんな。もちろん、シャイン氏と同等以上の逃げ足を持ったフライトタイプでなければ逃げ切れないでしょうが』
『というかめっちゃ迅速な逃げっぷりですわ……。私じゃなけりゃ見逃しちゃいますわね』
『つーかこれ、戦力でゴリ押ししてくる大規模企業クランへのメタ戦術になりうるって感じッスよねー』
『畜生、何でこんな日に限って俺は残業なんだあああああッ!!』
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【アッシュさんが500万JCでこの配信を応援しました!!】
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『貫禄の無言スパチャ』
『さすがはアッシュさんだ! 初投げ銭の名誉はサクッといただいていくぅ!』
『アッシュさん、大丈夫ですか! こんなところで夏のボーナス使っていいんですか! サマーガチャありますけどいいんですか! アッシュさん!!』
『うるせえ雑魚どもがあああああああああああッッッ!!!』
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この配信サービスでは
その限度額いっぱいの500万JCが課金されたのを見て、ディミはおおっと声を漏らした。
『アッシュさんが500万JCスパチャしてくれましたよ、騎士様!』
「えっ!? あ、うん」
スノウはカメラに向かって、にこっと花が綻ぶような笑顔を向けた。
「アッシュお小遣いありがとう! 大事に使うね!」
ディミはどこかで咆哮が聞こえたような気がして、目を細めた。
鼻血出してんじゃねえのあのストーカー狼。
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『ふおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!』
『ああああああああっ! 私が最初に投げ銭するって言いましたのにぃぃ!! 会長命令違反ですわあああああああッ!! 許しがたいですッ!!』
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【璃々丸恋さんが500万JCでこの配信を応援しました!!】
【サッカーゴッドさんが500万JCでこの配信を応援しました!!】
【ジョン・ムウさんが10万JCでこの配信を応援しました!!】
……(他多数)
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『なんで初配信なのに満額スパチャが3連続で乱れ飛んでるんですかね……』
『やべーぞこの配信! 投稿者もイカれてるが視聴者も狂ってやがる……!!』
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お前らもその一員になるんやで。
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3日空けてしまい申し訳ございません……。
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