1-4 班まで一緒

「おはよう。昨日の演奏、遠くからしか聴けなかったけど、とってもよかったよ。」

優ちゃんが話しかけてくる。

「ありがとう。美術部の勧誘は、うまくいった?」

「うーん、まぁまぁかなぁ。美術部って絵を展示してるだけだから、なんともいえないんだよ、、」

「優ちゃんの絵ならみんなの目に留まるから大丈夫だよ!」

「そうかなぁ、、」

優ちゃんは、はにかみながら笑っていた。徐々に教室に人が集まってきた。

隣の彼も席に着いた。

「じゃあ、席に戻るね。」

「うん。またあとでね。」


新しい教科書を眺めながらも、隣の彼を気にしてしまう。しばらくすると坂木先生が入ってきた。チャイムが鳴りホームルームが始まった。


「おはようございます。早速ですが、席替えと班決めをします。」

教室がざわめき始める。


いきなり席替えと班決めかぁ、

どうなるんだろう、、、、、、


「先生がくじを作ってきました。黒板に番号とアルファベットを書きますので、書いてある番号の座席に座ってください。同じアルファベットが同じ班の人です。くじを回すので、一人一枚ずつ取って後ろの人に回してください。」

ざわめきと共に、くじが回ってくる。

「全員、取り終えましたね。それでは、移動してください。」


席替えの結果、教室の一番左後ろになった。移動が終わる頃、僕は、緊張で手に汗握っていた。


隣には、彼がいたのだ。


前には、武藤君。その前には、優ちゃん。彼の前には、凜ちゃんがいた。

そして、同じ班は、僕と彼と武藤君と凜ちゃんと優ちゃんになった。


「1学期は、これで行きます。みなさん、仲良く過ごしましょうね。」

先生がそう言うとホームルームが終わった。


武藤君が横を向いて僕の方へと振り返る。僕の机に片ひじをつき、いつものニヤニヤした顔をしている。

「よろしくな!」

いろいろと大変な予感がする、、

「お前らもよろしくな!」

武藤君は、優ちゃんと凜ちゃんと彼に話しかけた。

「相変わらず、偉そうね、」

凜ちゃんが武藤君に言った。凜ちゃんは、武藤君と知り合いみたいだ。

「よろしくな。凛!」

「はぁ、最悪だわ、、」

凛ちゃんは、なぜかがっくりしている。凜ちゃんと武藤君が、お互いに言い合い、その光景を横目で見ながら仲が良さそうだなと思う。


2人は、どんな関係なんだろう、、、


隣の彼は、会話に参加せず、だるそうにあくびをしていた。

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