第百八十七話 自己嫌悪
「あいつから見れば俺なんてわざわざ殺す
地上へと向かった女神を前にして、何もできずにいたソニック。
彼はしばらくその場から動けないでいた。
ただ目の前にいただけで
相手はこの世界の女神だ。
もちろん
だがソニックは、どこかでそんな相手でも負けはしない――いや、勝てるつもりでさえいたのだ。
彼の
夜の
だがしかし、
あまりの力の差の前に、
ソニックは、そんな自分を
「そうだ! ビクニとググをッ!」
それから
今は女神よりも自分の情けなさよりも彼女たちのほうが
「おいビクニ! ググ! しっかりしろ! 俺だ! ソニックだ!」
ソニックは、倒れているビクニの体に
その声にググが
だが、ビクニのほうは目覚めない。
まるで
それでもソニックにはわかる。
彼女はまだ死んではいない。
心臓は止まり、
それはビクニの血を
彼女を吸血鬼化――
「クソッたれ、起きろよビクニッ!」
ソニックは呼び掛け続け、目覚めたググも一緒に鳴いていると、二人の
気が付いたソニックとググは
「大丈夫だよ。あたしあたし」
そこには
どうやら彼女の
ソニックが女神が
「ずっと誰かが自分の体を
ソニックは
ソニックはそんな彼女の
なるほど。
たしかにその
ソニックの知るリンリは、まるで
こうして実際の彼女と会ってみるとわかる。
リンリは女神に
「よし! じゃあいっちょ女神を倒しに行きますかな」
「お前……あいつに勝てるつもりか?」
ソニックは思わずそんなことを
リンリに
それなのに、この
「ダイジョブダイジョブ。女神くらいワンパンだよ、ワンパン」
そう言いながら、何もない空中に向かってシュシュっとジャブを
こいつはある
「それにあたし……。なんか悪いこといっぱいしちゃったみたいだし……。ここで女神くらい止めないとみんなに顔を合わせられないよ……」
そう言いながらリンリは、ソニックとググに
それは、無理をしているのがわかるただの
いや、たしかに
だが、たとえリンリが強くとも、彼女に力を
「これで
「いくらお前でも女神を相手にしたら……」
「わかってるよ。でも、あたし……騎士だもん。大事な人を守らなきゃ!」
リンリはそういうと、魔力を
残されたソニックは、
「ちくしょう……ちくしょう……。俺は……俺は……ッ!」
ググが
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