「始まり、そして旅立ち」1 ミシェルのデート4
――一時間以上遊戯系のカートンショップ巡りをしていただろうか。ニッシュが「じゃあそろそろ別なカートンショップに行こうか」と切り出してきたから、私も「そうね、どのカートンショップに行く?」と返した。
私達は、服やアクセサリーを扱っているファッション系のカートンショップを訪れた。ニッシュはアクセサリーショップの商品を見比べている。
「こっちのアクセサリーショップは……イヤリングやネックレスが充実してるな。こっちは……ブレスレットやミサンガとかいろいろあるな……ミシェルには、どんなのが似合うだろうな」
ニッシュは私へのプレゼントなのか、アクセサリーショップの商品を選び始めた。私は「高いのはいいわよ」と遠慮してみたのだけれど、ニッシュは「大丈夫、お金貯めてたんだ」と言って聞かなかったのだけれど。
そこで「あっ!」「あっ」とニッシュと私があるアクセサリーを見つけた。
星を模った、可愛らしい銀色のイヤリング。
「あっ、これなら、ミシェルに似合いそう。値段も五百ガルで安いし――」
「素敵なイヤリング――」
ニッシュはアクセサリー屋さんにこのイヤリングを私が試着するように頼んだ。アクセサリー屋さんは快く引き受けてくれた。
私はイヤリングを試着した。
銀色のイヤリングが、私の耳からキラキラゆらりと下がっていた。鏡で見たそれは、私の青い瞳と金色の髪にもう一つのアクセントを加えて映えていた。銀色の光と星を模ったその形が、私の身体に新たな輝きを与えていた。
「――素敵――」
「うん。ミシェルの白い肌と金色の髪、それに青い瞳にもよく似合ってるよ」
私はその星を模った銀色のイヤリングに見とれた。ニッシュも私を褒めて「ミシェルはもともと可愛いけど、すごく似合ってるよ」なんておだててきた。私も「もう、ニッシュたら」と言ったけれど、悪い気はしなかった。確かにこのイヤリングは、私に似合っている。
「そちらの星を模ったシルバーアクセサリー、たいへんお似合いですよ」
アクセサリー屋さんも褒めてくれて、私はいい気分になっていた。ニッシュが私に語り掛けてきた。
「じゃあミシェル、その銀色のイヤリング、プレゼントしようか」
私が「いいの?」と聞き返したけれど、ニッシュは「これくらいさせてくれよ」と言うので、私は素直にプレゼントを貰うことにした。
「お買い上げですね。五百ガルになります」
ニッシュは店員さんにお金を払うと、私に銀色のイヤリングを渡してくれた。
「ありがとう、ニッシュ」
ニッシュの心遣いが、素直に嬉しかった。私はニッシュへ思わず微笑みを返していた。ニッシュもなんだか嬉しそう。あなたがデートに誘ってくれて嬉しいと、私は思っていた。
「どういたしまして、ミシェル……ミシェル、どうせならさっそくそのイヤリング付けてみないかい?」
ニッシュが勧めるので、一度試着していたし、私は銀色のイヤリングを付けてデートすることにした。
イヤリングを付ける。
私に、新たにもう一つ輝きが生まれる。
「……素敵――」
私は安いけれど、銀色に煌めく星のイヤリングに見とれて、うっとりと呟く。
「うん、やっぱりそのイヤリングミシェルに似合ってる」
ニッシュも褒めてくれる。もう私は上機嫌だった。
「じゃあ、他のファッション系のお店も巡ってみようか。お昼まで、ウィンドウショッピングでもしようよ」
「そうね、服屋さんも巡ってみたいし、他のファッション系のお店も行ってみましょう」
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