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  • 平和な描写に潜む底知れぬ不穏感がとても良いですね!

    作者からの返信

    ありがとうございます! その辺りは力を入れた部分なので、そうおっしゃっていただけると大変嬉しいです。

  • 丹後松島の情緒的な風景描写を読み進めるだけで大満足してしまうほど素敵だったのですが、
    描かれる事物の対立軸の設定がとても鮮やかで、主人公の感情や選択にすごく親近感を感じました。
    宇宙と地球、理想的な女性としての浮絵さん・網野さんとハニトラだったラントヮ、清涼な仮想空間と荒廃した現実、のどかに陶芸を楽しむ仮想空間での自分と殺戮に加担してしまった現実世界の自分。
    そんな情緒的にも物理的にも両極的なふたつの世界や要素を往還した先に、
    「さて、心を満たす本当の安寧はどこに在るのでしょう?」と尋ねられたようで、ラストシーンの余韻がじんわりと残りました。

    最後にようやく心の安寧を得られた主人公を眺めていると、「他者」の存在をどう捉えるかというテーマが光と影のように浮かんでくるように思えました。
    地上の争いやラントヮの嘘に傷つき、現実の醜い部分に心底辟易してしまって仮想空間での暮らしを選び、
    さらに仮想であることを承知の上でそこに現実(の他者)にはない価値や安らぎを見出している……というのは、リアルの他者に対する悲観と失望の眼差しを感じます。
    でもその一方で、最後の網野さんとの関係のように、他者との理想的な関わり方への憧憬をずっと抱いていたところに、主人公ミネヤマの人間臭さと、物語としての温かみを感じました。

    そんな陰と日向の要素が見え隠れして、
    爽やかでありながらどこかほろ苦い、人によってはハッピーエンドのようにもちょっとセンチなエンドのようにも見える……そんな不思議な読後感になっているのかな、というふうに感じました。


    最後に蛇足ですが、ミネヤマ、丹後、網野と京北にゆかりのある名前がちょこちょこ出てきて、そこもちょっと楽しかったです笑

    長々とまとまりのない感想ですみません、素敵な作品をありがとうございました。

    作者からの返信

    いつも丁寧な感想、どうもありがとうございます。
    「丹後松島」の町については、商店街の様子とか、水路に架かる古い石橋とか、最終的に削ってしまった描写がかなりあって、作品のバランス上やむを得なかったのですが、本当はこの町(世界)で僕ももっと過ごしたかったので、少々残念なくらいです。
    現実の丹後松島はちょっと寂しい景勝地ですが、近くでキャンプみたいなことをしたこともあって、特に夏に行く丹後方面には良い思い出しかないくらいに大好きなので、今回は色々引用してみました(今年はコロナで行けないので残念!)。

    文長さまのおっしゃるとおり、この作品は「他者」とどう関わるかというのが、一つの大きなテーマになっていると思います。
    「現実」の他者に対してかなり悲観的な内容になってしまったのは、やはり今のご時世を見てということもあると思います。虚構の中のようにひどいですしね(笑)。
    自分にとってのあるべき「現実」の中で平和に暮らす幸せというものを、作中に書くことで一度体験してみたいというのと、その仮想と現実を虚構内であればひっくり返せるのではないか(できれば現実でもひっくり返したい)、というのをメタフィクション的に試したかったのだと思います。
    ただ、書き手としての僕自身は、ここまで悲観的ではないのですけどね。裏切られたり嫌な思いをしても、最終的にはやっぱり人間というのは捨てたものではない、と思ってます。

    こういう多層的な構造の作品なので、みなさまに様々な受け止め方をしていただけたのですが、どれもうなずける、という感じで、こういうものが書けたのも、予想を大きく上回って好評だったのも本当に嬉しいです。
    短編ながら現時点での集大成になってしまい、これからどうしようか、というのが悩みとして残るのですけれども。

    最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

  • うーん、物悲しい。良いお話でした。

    作者からの返信

    お読みいただき、ありがとうございます。お話を気に入っていただけたようでしたら、嬉しいです。

  • ありがとうございました
    もうこれしか言えないレベルに
    心に残りました
    改めて、ありがとうございました

    作者からの返信

    こちらこそ、そこまで言っていただけるとは、この作品を書いた甲斐がありました。お読みいただいて、本当にありがとうございました。

  • 読了! ……だけど、最初の方忘れちゃってたのでもう一周して来ました♪
    相変わらず、ノスタルジックな空間の表現が素敵です。とくに好きだったのは「ゼネラル石油」が「氷屋」に変わるところと、カールかな。
    カールには「月に囚われた男」のガーティを重ねて読んでました。😁

    作者からの返信

    なんと、わざわざもう一周読んでいただいたのですね。嬉しいです。
    本当は、ノスタルジックな町のパート、もうちょっと色々書いてたのですが、全体の長さを押さえるために削ってしまいました。
    ガソリンスタンドが氷屋になる部分、ここは気に入っていて、思いついたときは嬉しかったです(絵柄的にはつげ義春的なものがヒントでした)。
    カールは予想外に活躍してくれて、それでこの作品が完成しました。「月に囚われた男」、不勉強で見てないのですけど、面白そうですね。今度見てみます。
    最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

    (ここで書くべきではないかもしれませんが、「森で」読ませていただきました。素晴らしかったですが、また改めて。ところで実は僕も星先生の「処刑」がものすごく好きです)

  • ああ、なんか自分にも、こんな安らぎの世界に還った記憶があるような……。
    ……あった。確かにあった。一度のみならず、もう何十回も。

    うわあ、わかってしまった!
    それだけのために、狸は今もでんぐり返っているのだ。

    どちらかと言えば、狸に欠けている良識と知性と現実感を心地よく感じることが多かった天野様の作風の中で、この作品は、もしかして一線を越えてしまっている気がします。

    いや、間違いなく心身ともに、イケナイ方向に心地よくヌケけてます。

    ★★★★★★★★★★、いやもっと★★★★――。

    作者からの返信

    今作も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
    某所の初期の頃から、ずっとお読みいただいているバニラダヌキさまにそんなにたくさんお★さまをいただき、レビューコメントまでいただければ、もはや思い残すことはありません。
    ……いや、まだしぶとく書き続けますけども。

    もう、現実があまりにもあれなので、虚構の中からあるべき現実を引っ張り出してやれ、そしてその中でぬくぬくと暮らすのだ、というのは確かについに何かの一線を超えたかもしれませんね。しかし、これこそが正しい現実だと思うのですけどねえ…。

    ともあれ、ありがとうございました。
    ものすごいことになりそうな、桃林物件も引き続き楽しみにしております。

    編集済
  • うわわわわわわ……。
    ……あくまで「早く続きを!」的な惑乱です。

    作者からの返信

    惑乱していただき、ありがとうございます(?)
    天野色全開の物語、もうあと少しで終わりですが、ここまで読んでいただけて良かったです。
    あとは平和に着地に向かいますが、ちょっとだけ悲しみみたいなのが残る感じです。

    編集済
  • 急転直下の展開ですね。。
    せっかくかけた情けが仇になってしまうやり切れなさを感じます……

    作者からの返信

    なかなか、きつい展開が続いてしまいます。人類に対する絶望、みたいなのがテーマとして前面に出る作品になりました。ここまで悲観してはいないのですけども、実際は。

  • こ、これは……。
    大変なことになってきましたなあ。

    作者からの返信

    ここからラストへの着地は、まさにきりもみ状に落下しながらというアクロバットなことになりそうです。バニラダヌキさまにおかれましても、どうか、シートベルトを良く締めてご鑑賞いただければ…。

  • うわ、こちらの世界も、風雲急を告げている……。

    作者からの返信

    ここからが、天野色の本番になるかと思います。あと4話、良かったら最後まで見届けて頂ければ…。よろしくお願いします。

  • 天野橋立さん

     わくわくしています。
     毎話楽しみに読んでいます。

    真花

    作者からの返信

    嬉しいです、ありがとうございます。
    ご期待に応えられるように、最後まで頑張ります!

  • おお、練られてますね。
    このぶんなら、ラストまできっと練り練りの天野ワールドに。

    作者からの返信

    練れてましたでしょうか、ありがとうございます。
    ここを過ぎると間もなく折り返しで、次の舞台へと移ります。ここからがうまく行けば、もう最後まで行けると思うのですが。
    お付き合いいただけますように、よろしくお願いします。

  • 現実サイドも★です。
    しかし、単発でも連載でも、全体に対して★★★までだと、困ってしまいますね。

    作者からの返信

    おお、良かったです。ありがとうございます。
    基本的に、読者数を重視する仕組みのようなので、そうなっているのでしょうね。

  • 面白さに勢いがついてますし、面白くなる新要素もスコンスコンと狸のツボにハマってくるので、さっそく★を増やしました。

    作者からの返信

    嬉しいです、ありがとうございます。ただ、ここからが割と激しく展開しますので、ご期待に応えられるかどうか、頑張ります。

  • この時点で★ひとつ、それはつまり、確実にこの世界から狸は抜けられなくなった、ということです。今後は次々に★を増やせる予感がひしひしと。
    もしかして天野様の真骨頂が見られるのかなあ、と期待しながら続きをお待ちします。

    作者からの返信

    さっそくのお★さま、ありがとうございます! どうかバニラダヌキさまの期待を裏切らずに、2つ3つと増えますようにと夜空にお祈りしておきます。じゃなくて、頑張って続きを連載します。かなり波乱の展開になりそうなので、不安はありますが…。

  • おお、これは面白くなりそうな……。
    するすると話に引きこまれる手際も、お見事でした。

    作者からの返信

    ありがとうございます! 良くも悪くも天野色全開の小説となりますが、バニラダヌキさまにも楽しんでいただければ、と願いつつ連載を続けます。

  • 仮想空間で生活をするとは、また凄い設定ですね。
    天野さまワールドにどこまでも連れていってもらえそうな勢いを感じました。
    何やらトラブルが起こっているようですが、この先どうなるのか、続きもお待ちします。

    作者からの返信

    さっそくありがとうございます。
    今回の作品は、相当に凝った設定を持つSF短編になるので、それを読みやすく書けるかどうかの実験的なものになるかも知れません。
    いつもの作品よりも少々長めになりますが、ゆっくりお付き合いいただければ幸いです。