第66話
――交遊もより深く。
――「六だ。煉瓦と木で、道を造る」
「おまっ、そこに置くんじゃねぇ!俺の道が遮られんだろ!」
「そーゆーゲームだ。次、東条」
夜の帳が降りる中、テントの一つから、男達の賑やかな談笑が聞こえてくる。
「あー、これと、これと、これで、発展三回」
「発展ばっかして何がしたいんすか?」
「ギャンブルが辞められねえのさ。とりあえず騎士カードで、騎士をここに」
「てめぇっ!俺に何の恨みがあんだ⁉」
「ほれ、手札引かせろ」
刀祢の苦渋の表情をせせら笑う。
「……よし刀祢、もしカードをもう二枚くれるなら、この騎士を退かそう」
「本当か⁉いいぞやる!」
東条は頷いてカードを受け取り、騎士をずらし、
「恭祐」
因幡の手札を引き、……そしてまたさっきのマスへ戻した。
唖然とする刀祢から、残り一枚となった手札を抜き取る。
「羊か、いらんな」
荒木が腹を抱えて笑い、因幡が外道すぎる手に戦慄する。
「えぐいっすね」
「俺は好きだぜ?ひひひひっ、腹いてぇ」
日課となった夜のボードゲーム大会、彼等は夜な夜な一つのテントに集まり、中からパクってきたものを賭けて日々ゲームを繰り広げている。
強力なモンスターが見られなくなり、東条がいなくなると分かった今、彼等の中でも戦闘に秀でた者は、今後の為にも探索に慣れておくことを推奨された。
この三人もその中に入っている。
そこで自分で取ってきた何かが、いつも賭けとして使われる。
若い内から賭け事に嵌ってしまった四人のテントは、毎晩呑気な笑いを響かせるのだ。
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