私はすべてを
私は全てを吐きだしたのか? いいや、ちっとも。私の寿命はどれくらいだ。この心臓が止まるまで ならば今こそ始めるとき。全てを吐きだし。全てを吐こう。
苦痛は常に突然やってくる。苦悩も突然やってくる。ささいなことで傷ついて、何も出来ないと閉じこもる。繰り返し繰り返し。起きたと思ったらまた眠り、腹が減ったら暴食する。本当はまじめに生きたい自分を裏切る行為をし続けている。けれどもまじめってなんだろうと眠りながら思う。壊れているから考える。人と同じ歩みは出来ない。自分だけの道を行くしかない。けれどどこも先駆者だらけで道の順路には『この先破滅』と書かれている。その場で立ちすくみ看板を見やり、辿ってきた道を引き返す。そうして年だけが経っていく。才能だけが枯渇してゆく。髪の毛が薄くなってゆく。こうして自分は何も出来ないままだ。生きている価値すらない。最初の町のそばで延々と経験値稼ぎをし続けている障害者。もはやもらえる経験値など無いにも等しいのに、それでも信じて戦い続け、蹂躙し、時に蹂躙される。へどがでそうだ、この人生。冒険がない。アクションがない。ノンアクティブ。
私は全てを吐きだしたのか?
いいや全然。
何もかも、終わっている。苦痛。苦悩。ありきたりな言葉だけが残る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます