月影

みんなの和って言うけどさ、そいつは一体どんな形だい

そんなの決まってる輪だよって、じいちゃん言うけれど

それってなんだか息苦しい

ほら後ろから気息奄々の手がためらう足を掴む

酔っぱらっちゃって進めやしない


おーい、お前 そっちの夜は暗いのかい

おーい、お前 つらい時には泣くのかい

おーい、お前 やっぱり冬は寒いのかい

遠慮のない笑い声だ

そうかい 暗くて寒くて泣いちゃうか



みんなの和を大切にって、耳目を糊塗して慣れていく

出来損ないの半分の糸じゃ フラクタルは縛れない

相変わらず世間の波は他人事で

自分勝手に尖った僕が削られていく


おーい、お前 乾いた星が見えるかい

おーい、お前 輝く星が見えるのかい

おーい、お前 冷たい水をくれないかい

気遣いは出来るなんて、それは少しずる過ぎる


何で後悔ばかりなんだ

何でまた嬉しいんだ

君と今はこんなに遠く

声も手も届きやしないな


おーい、お前 そっちの夜は暗いのかい

おーい、お前 つらい時には泣くのかい

おーい、お前 やっぱり冬は寒いのかい

おーい、お前 乾いた星が見えるかい

おーい、お前 輝く星が見えるのかい

おーい、お前 冷たい水をくれないかい


おーい、お前 そっちに僕はいられるかい

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