第9話

       9


 後半開始が近づき、神白たちはコート内で円陣を組んだ。

「ヴィライアの選手は、この試合中よく集中してプレーできている。プレスも早く正確だ。だから皆、もうワンテンポ、球離れを早くしていこう。特にユースケ。君はボールを持ちすぎるきらいがあるよ。シンプルなプレーを心がけよう」

 キャプテンのレオンが、澄んだ顔付きで所感を述べた。

「うっ、そうっすね。気をつけるっす」天馬が反省したような調子で応じる。

「前半は怪しい雰囲気だった。俺も正直、このまま後半も守り切られて負ける気がしていた。けど、監督はいつも通りだったな。皆、目は覚めただろう。後は勝つだけだ! 行くぞvamos!」

「「おうsi!」」

 威勢良く締めて、神白たちはそれぞれのポジションへと走って行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る