超絶仲の悪い幼なじみと1つの共通趣味でラブコメをしたいと思います

ブレックファースト

第1話 始まりの朝

「ふぁあーっと  もう朝か」


俺は、伸びをして体を起こす。

扉が、ドンドン音を立てたと思ったら、

何かが俺の上に覆いかぶさってきた。


「おっはようー!光輝お兄ちゃん」

「おはよう 彩」


こんなところに、天使のような子が。


小動物のように小さい体、クリクリっとした目、それに活発な雰囲気を思わせる短く、綺麗な髪。これを天使と言わず何というんだと言わんばかりの可愛い俺の妹だ。


「光輝お兄ちゃん 私、朝ごはん作ったの食べてくれる、、?」

彩は、顔を赤く染めてこちらを見上げてくる。


反則だろ。俺はそんな妹の願いを断るわけがない。


「もちろんだ 彩の料理は美味しいからな」

「ありがとう光輝お兄ちゃん! なんか新婚夫婦みたいだね」


彩は、ナチュラルにこう言うことを言ってくるから勘違いしそうになる。


「彩、新婚夫婦ごっこはもういいから とりあえずそこどいてくれ」

「もぅ  光輝お兄ちゃんのイジワル」

「イジワル? 何でそうなるんだ?」

「もっとお兄ちゃんと近くに、、」

「彩もう少し大きく喋ってくれ 全然何言ってるかわからないぞ」

「もういい!」


怒って出てってしまったが、俺が何か悪いことをしたのだろう。

女の子は繊細だと聞いたことがあるからな。あとで何か買ってきてあげることを決め、身支度を済ませた。

下に降りるとすでにいい匂いが立ち込めている。


「彩はなんだかんだで、優しくしてくれるんだよな」

「そうだよー って光輝お兄ちゃんは私がいなかったら死んじゃうからだよ

本当に料理、洗濯なんもできないんだからー」


ぷんぷんと本人は怒っているつもりだろうが、全然怖くない。むしろ可愛い。


「そうだな 妹に養ってもらうのもありだな」

「もぅ またそんなこと言って そんなんだから魅音先輩に愛想つかれちゃったんだよぉー」

「俺は悪くないぞ」

「自分は悪くないって言い張るの光輝お兄ちゃんの悪いクセだよ 結婚までに直さないと」

「直さないと?」

「わた、私が、、、光輝お兄ちゃんのお嫁さんになちゃうんだからね!」


顔を真っ赤にして宣言する彩を俺はぽけーっと眺める。


「そっか 直そうかな」

「ええー 光輝お兄ちゃんひどくない!」

「はっ はは  彩と話すのは楽しいな」

「話逸らした、、私も光輝お兄ちゃんと話すのは楽しいよ」

「それはよかった じゃあ学校行ってくるから、彩も遅れるなよ」

「はーい 行ってらしゃい」

「ああ   ひとつ言い忘れてた。」

「なに?」

「俺ら血が繋がってるから結婚できないぞ」

「もう 光輝お兄ちゃん馬鹿にしないでね 私もそんぐらい知ってるから」

「彩は物知りだなー じゃあ」

バタンと扉が閉まった。


「もう 光輝お兄ちゃんのばかぁーーー 

 知ってるからこまってるんだよぉー」


彩の細々とした抗議の声は誰にも届かなかった。




____________________

俺は今、絶賛遅刻気味だ。


自分の足に力を入れて学校までの坂道を一気にダッシュしている。


キーンコンカーンコーン 


「ふう 何とか間に合った」

「朝っぱらから、ランニングとは できる男は違うなー」

「俺はランニングしたくてしてるわけじゃないし、できる男でもない」

「へいへい そうでやんすね」

「はぁー」


このイケメンは神楽技 龍斗である。


全てにおいて高性能のハイスペック男子だ。まあ なんか俺に対してはやけに馴れ馴れしくしてくるが。


俺は、長いため息を漏らす。どうしたんだと龍斗が気にかけてくれたが、大丈夫だと返した。


何事もなく、授業は進む。

平和な日だ。だからか時間がゆっくり進んでいる気がする。いや数学の授業がつまらないからだろう。


でも、俺には三ヶ月前と大きな違いがある。



それは、斎藤魅音が隣にいないことだ。


3ヶ月前の帰り道にケンカした後、喋っても貰えない。

彼女は俺の隣に住む幼なじみとと言える存在だ。彼女は学園トップレベルの美人でみんなには優しいのだが、何故か俺だけはキツく当たってくる。


そんな彼女と俺が何で喧嘩したのかって?


理由はとてつもなくしょうもないものだ。


いつもの帰り道、俺の馬鹿な一言



「そのアニメ 面白くないよな」これだ。


あとから知ったことなのだが彼女はこのアニメの大ファンだったらしい。

この時の俺はさらに追い討ちをかけていた。


「そのアニメ面白くない面白くないよな」

「えっ 何言ってんの すごいキャラも可愛くて、、」

「まぁ キャラは可愛いが、、 るか姫だけは嫌いすぎて反吐が出るわ あのキャラ好きな人とは関わりたくないレベルだよな」

「るか姫、、、、、 私の推し」

「あっ ごめっ、」

「もう いい!」


これが、喧嘩の一連の流れだ。

彩には、俺は悪くないと言ったが、、、、、

これは俺がゼロ100でわるいんだよなー

しかし俺は、下手なプライドのせいで魅音に謝れない。




あぁ どうしようか、、、

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