花さかじいさん シロの呪い
「枯れ木に花を咲かせましょう」といって灰をまくと、あらふしぎ、桜の花が咲き誇りました。という魔法のようなお話がはなさかじいさん。あらすじを簡単に記します。
優しいおじいさんとおばあさんがシロという犬を飼っていました。
「ここほれワンワン」とシロが教えてくれた場所を掘るとなんと、小判がたくさん出てきました。ところが、それを見ていた隣に住むいじわるなおじいさんがシロを強制的に連れて行って宝を掘り当てようとしますが、そこにはごみしかありません。いじわるなおじいさんは、シロを殺します。なんとも自分勝手で動物に対する思いやりがない意地悪じいさんです。ここで、ひとつの命が終わってしまいますが、優しい元の飼い主夫婦がシロのためにお墓を作ります。犬を埋めた場所になんとも大きな木があっという間に立っていました。その木でうすを作ります。そのうすでもちをついていると、なんとも不思議なことに大判小判がザクザク出てきました。
またまた欲深い隣のおじいさんがそのうすを持ち出し、もちをつくのですが、石ころしか出てきません。怒ったおじいさんはうすを燃やします。なんて、ひどい仕打ちでしょうか。なんとも自己中心的なおじいさん。シロに呪われても仕方がないくらい、ひどいことをします。優しいおじいさん夫婦は燃やされた灰を持ち帰ります。その灰を木に向かってまくと、不思議なことに枯れ木に花が咲いたのです。その評判を聞いたお殿様はぜひとも見たいということで、おじいさんに花咲きの芸をさせます。お殿様は褒美にたくさんのほうびをわたしました。そのおかげで、優しいおじいさん夫婦は生活に困ることなく裕福な毎日を送ることができます。
ここで、やはり隣のいじわるじいさんがおなじことをしようとお殿様の元へ行き、灰を木に投げつけます。ところが、花を咲かせるどころか、灰がお殿様にかかってしまい、いじわるじいさんは罪人になってしまいます。
いじわるじいさんは学ぼうとしないのが、現実の皮肉さを表しています。二度あることは三度あるですが、シロはいじわるじいさんを呪っているので、同じことをしてもいいことは起きません。それに気づかないいじわるじいさんと何もしなくてもシロのおかげで幸せになっていくおじいさんの対比が勧善懲悪ものとしてわかりやすく示されています。
★解説
シロは灰になってもいじわるじいさんを呪い続けているようですね。それにしても、理不尽な理由で殺されたシロ。シロがいじわるじいさんのために幸せを運ぶはずがないのに、何度も試そうとするおじいさんは学習していないと思いませんか。
★教訓
欲がない普段からいい行いをしている人にはいいことがある。悪い心を持った人には悪いことが降りかかる。
二度あることは三度ある。少しは学びましょう。
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