赤ずきんちゃんの恐怖
赤ずきんちゃんというグリム名作は、なかなか怖い話です。おばあさんを食べてしまったオオカミがおばあさんのふりをして赤ずきんちゃんを食べようとたくらむという頭脳戦なのですが、あらすじを簡単にご紹介します。
おばあちゃんのうちへお母さんの届け物を持っていこうとしていた赤ずきんちゃんは、オオカミに話しかけられます。どこへ行くのか聞かれた赤ずきんはおばあさんのうちへいくと正直に話してしまいます。よりみちをしないで行ってねとお母さんに言われていたのに、ついよりみちをしてしまいます。よりみちと言っても、花をつむという程度のものですが。しかし、オオカミは若い赤ずきんの少女を食べたいと思い、おばあさんのうちへ先回りしてしまいます。まずはおばあさんを食べてしまい、おばあさんのふりをして待ち伏せします。
結果、赤ずきんちゃんもオオカミに食べられてしまいます。子どもですもの、オオカミに勝てるはずはないでしょう。人間二人を丸呑みしたお腹の中の構造がどうなっているのでしょうか。もしかしたら、オオカミのお腹の中は異世界のような無限な世界が広がっているのかもしれませんね。
人を平気で丸呑みしてしまうオオカミ。普通食べられたとしたら、そこで死は確実になります。しかし、このお話は元気にお腹の中で生きているのです。かむことなく食べてしまうオオカミもすごいけれど、お腹の中で無事なおばあさんと赤ずきんちゃんという少女の生命力にも驚かされますね。
ここで、偶然通りかかった猟師が二人を助けてくれたので、彼がいなければ、バッドエンドの物語になってしまいましたね。猟師の提案で、オオカミをこらしめるためにお腹に石を詰め込みます。起きたオオカミはお腹の石の重さに耐えかねて死んでしまいます、という最終回もあります。
実はあまり知られていませんが、オオカミは死んでいなくてリベンジして来るという話が原作にはあります。
前回の教訓があったので、おばあさんと赤ずきんちゃんは相手にせず、鍵をあけなかったので、なんとか助かりました。
★解説
最後にオオカミのお腹を切って石を詰め込む作業があるのだけれど、お腹を切った時点でオオカミが起きないのは不自然だと思いませんか。さらに糸でぬいつけてもオオカミは起きないなんて普通はないことです。何か睡眠薬のようなもので眠らせられているのか、麻酔を使っているのかと疑ってしまいます。皮膚を切られたら激痛が全身に走るのが普通です。お腹を切られた時点で、きっとオオカミは死んでいたのだと思うのです。だって、痛みを感じずに寝ているなんてあるはずないことですから。
★教訓
この命がけの物語は、知らない人に個人情報を教えたり、ついて行ったり、家に招き入れると大変なことになるという暗示です。つまりオオカミを誘拐強盗犯と見立てて、赤ずきんを少女の例にとして表しているのです。犯罪には気をつけようという教訓があるのです。結果的によりみちをしたりするささいな約束でも破ってしまうと事件に巻き込まれるかもしれない。お母さんの言うことを守りましょうという意味なのです。
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