第2話 朝から大変!?

ある日の朝


「どこも変なところないよね…、うん!よし!いける…今日こそいけるよ!頑張れ、私!」

鏡の前で自分を励ましカバンを持って家を出る

「行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい」

家族の声を聞きながら私が向かうのはもちろん学校……ではなく陸くんの家だ

家を出てちょこっと歩いたらすぐにつく、だって隣なんだもん


―――


ピンポーン♪


「はーい」

扉が開くと

「あらぁ凛ちゃん!今日も早いわねぇ」


この人は白風 優華、陸くんのお母さんだ

私が陸くんの家に行くとだいたい出迎えてくれるこの人は

(クッ、今日も可愛い…!)

めちゃくちゃ可愛いのだ

高校生の子供がいるとは思えない

今すぐ制服着せて学校に行かせても大丈夫などころか、山のようにラブレターを貰えることだろう

そのあまりの可愛さに驚きながら

「おはようございます優華さん、今日もお綺麗ですね」

そう言ってぺこりとお辞儀する

すると優華さんはパァーっと顔を輝かせ(可愛い)いきなり

「むぐっ!」

「あぁぁ!なんて可愛いの!それに優しくて気遣いもできるなんて!なんていい子なのかしら!ねぇ凛ちゃん、今からうちの娘にならない!?」

そんなことを、私が貧乳と思えてしまうほど豊満な胸に抱きしめられながら言われる

私の身長が160なのに対し優華さんは175、身長差によってそうなってしまう、ぐぬぬ

それと可愛いのはあなたの方ですっ(半ギレ)


そんなことを考えながらも私の答えは決まっている

優華さんの胸からぷはぁと顔を離し(そういえば現在進行形で大きくなり続けているらしい(遠い目)堂々と宣言する


「陸くんさえ良ければいつでもなります」


―――


陸くんの部屋に入る前にひとつ深呼吸


コンコン


返事はない

いつものことだ、陸くんは朝が弱い


「入るよー?」

ひと声かけてから部屋に入る


綺麗に整理整頓されている

カーテンは優華さんが開けたのだろう


そしてベットには


「…ッッッ!」









心臓がバクバクしているのがわかる

おそらく今私の顔は真っ赤になっているのだろう







陸くんが寝ている

いや、それはいつものことなのだが


(ふ、服が……!)

はだけている

そのせいで彼の腹筋が…

(はわわ…)

帰宅部なのに綺麗に割れてる…ゴクッ


(じゃなくて!)

彼を起こしに来たのに何をやってるのか

早く起こさなければ


そう思って彼を起こしにかかる


「陸くん陸くん、もう朝だよー、起きてー」

布団を剥ぎ取りながらそう言って彼を優しく揺する


しばらくそうしていると


「ん……んぁ…?」

よかった起きてくれた、早く服を直してもらわないと私の心臓がもたない


「おはよう陸くん、服がちょっとはだけてるから直して──」


「……凛?」












ドクンッ!


「え…?」

今呼び捨てで…?

驚いて彼の顔を見る







見てしまった






「ッッッッ!」


彼は寝起き

眼鏡をしていない

つまり…








私の大好きな顔が目の前にある


「あ、あぁぁ…」




これは危険だ

今すぐ離れないと


急いでこの場を離れようとして










グイッと



「えっ!?キャッ!」


ボブッ









何が起こったのかわからなかった


驚いて閉じていた目をゆっくりと開ける


目の前には陸くんの顔が









…………………え?











……やばい


やばいやばいやばいやばい


もう無理だ

これ以上は頭がおかしくなってしまう


急いで逃げようとするが、何故か身動きが取れない






そしてふと背中を掴んで押さえているものに気づいた



……え?掴んで?










「〜〜〜ッ!」






い、いい今私、陸くんに抱きしめられてるっ!?


前には陸くんの6つに割れた綺麗な腹筋

後ろには陸くんの大きな手

そして上には私の大好きな陸くんの顔



あ、これダメだ


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