第67話 閑話 パンドラとイチャイチャ

これはアイを発見し、極冬の冷地に向かうための準備をしている間の出来事である。



俺達は全員と付き合った。自分でも夢かと思う出来事だが現実だ。顔面を3発ほど殴ったが現実だった。


そこで彼女達の熱い要望により、1日ずつ『魔王を独占できるデー』を作ったのだ。

……自分で言ってて恥ずかしいな。


理由は全員隔てなく可愛がるためだ。俺達はいつも2人以上で行動していたからな。


そして初日はパンドラ。
























「おかえりなさい、あなた♪♪ 」


「急にどうしたんだ」



余りに急すぎて一瞬何事かと思った。さっきまで一緒に散歩していたのに急に走り出したからどうしたんだろうと思ったけど、これがやりたかったのか。


「これがやってみたかったんです!!」


自分でも言ったよ。




俺達が付き合い始めて1週間ほど。

現実世界のカップルなら1番初々しい時期だと思うが、現に俺達もそうである。


「私達夫婦になりましたね!キャー♪♪/////」


「正確には付き合って1週間目。まだ夫婦ではないがな。」


「ぶー……、ゼノン様ノリが悪いですね……」


「お前随分積極的になったな」


「我慢するのをやめたんです!!今までは我慢してましたからね!それなのに四魔天を次々と堕としていくからずっとモヤモヤしてましたよ……」



マジか。その言い方からすると昔から俺のことを思ってくれていたのか?でもそんなこと聞くの恥ずかしいしな………



「ゼノン様何か聞きたいことがあるのですか〜?」


「なんでわかるんだよ」


「ゼノン様考えてること顔に出すぎですよ。それとも『愛の力です!』と言えば好感度上がりましたか?」


「元から好感度MAXだから大丈夫だぞ」


「そっ……そうですか……/////」



おっ、無事にカウンターが成功したみたいだな。

照れてる照れてる。俺の彼女か〜わ〜い〜い〜!


「ニヤニヤしないでください/////!それよりもさっきは何を考えたのですか!?」


「いや、ずっとモヤモヤしてたっていつから俺のことを好きでいてくれてたのかな〜、と……」



するとより真っ赤になった。トマトかな?

からの睨み付けるような上目遣い。かわいい。


そんな顔されたらついイタズラしたくなる。



「そっか〜〜、言ってくれないのか〜〜、残念だなーーー、楽しみにしてたのにな〜〜………」


「うっ……」



あともう一足ってところかな?



「俺は初めて会った時素敵な女性だな〜と思ったのにな〜。そうか、パンドラは教えてくれないのか〜…」



すると口をパクパクさせながらこちらを見る。

なんだ?急にどうしたんだ?



「ゼノン様も……その時なのですか……?」


「えっ……じゃあまさか……」


「はい…!私も出会った時です!」



えっ、マジか!じゃあ本当にそんな昔から……



「私も初めは気づきませんでした。でも初めてゼノン様を見た時から胸が苦しいというか……変な気持ちでした。そしてその気持ちを自覚したのは、私達が初めて襲われた時です。」



あの時か……懐かしいな……

転生して初めて戦った強敵、ディメンションイーター。俺もパンドラが襲われそうになった時、血が沸騰しそうなくらいムカついたのを覚えているよ。



「そして命を賭して私を守ってくださった時、初めてこの気持ちに気づきました。あぁ、私はこの人が好きなんだ、と。」


俺もあの時守れて本当に良かったと思ってる。あの時動けたから今の俺がいる。



「だからゼノン様、あの時はありがとうございました。あの戦いがあったからこそ今の私がいます。あの戦いがあったからこそ自分の気持ちに気づけました。ありがとうこざいます、ゼノン様。大好きです。」






そしてパンドラは俺の頬にキスをした。













……………………ファッ!?











いっ、いいいいいい今何をされた!?

今のはもしやアレか!?

巷で噂のキキキキキスと言うやつか!!


めっちゃ柔らかかった……

まだ頬に感触残ってるよ………


ヤベェ、顔が熱い…ていうかパンドラがここまで積極的な子だったとは。



と思ったがパンドラも割といっぱいいっぱいだった。



「ふふん照れちゃってかわいいですね/////!わ、私は大人の女性ですのでこれくらい余裕ですよ/////」


「その割には顔真っ赤だが?」


「頑張ったんですから意地悪しないで下さい/////!」


「すまんすまん」



俺は幸せ者だな。こんなにかわいい彼女ができるなんて。しかも4人。

だからこそ大黒柱として頑張って支えて行かないとな。



「じゃあ、今日は魔道具造りを俺に教えてくれよ」


「ええ、いいですよ。プロとして厳しく指導しますからね!」


「ああ、頼むよ先生」





俺は幸せを噛み締めながらパンドラと一緒に魔道具工房まで移動して行った。








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