8話 わたしの少し大胆な行動と、つぐみさんの無自覚な大胆発言
「つぐみさんっ」
昼休みにつぐみさんと合流するや否や、わたしは飛び付くようにして彼女を抱きしめる。
「み、美夢ちゃん!?」
つぐみさんは突然のハグに驚きつつも、すぐさま抱き返してくれた。
最愛の恋人が自分の腕に抱かれ、自分もまた最愛の恋人に抱かれる。改めて、抱擁という行為の素晴らしさを実感する。
「いきなり抱き着いてごめんなさい。嫌でしたか?」
あいさつ代わりの抱擁を解き、向かい合って話す。
恋人として少なからず進展したから、多少は大胆な行動に出てもいいんじゃないかと思い、唐突に抱き着いてしまった。
「ううん、全然! 美夢ちゃんにギュッとされるの、大好きだもん」
「つぐみさん……っ」
満面の笑みで受け入れてくれたつぐみさんに、例のごとく心を射抜かれる。
わたしはもう、つぐみさんなしでは生きていけそうにない。まぁ、それは前からだけど。
「次はわたしの方から抱き着かせてもらおうかな~」
「はい、ぜひお願いしますっ。あいさつ代わりに胸を鷲掴みにしてくれてもいいですよ。むしろしてほしいです」
「えっ、そんなことしていいの?」
「もちろんです。つぐみさんさえよければ、好きなだけ揉んでください」
わたしは両手を後ろに回し、胸を差し出すような体勢を取る。
あわよくば触ってもらえるかもしれないという期待を抱きつつ、反応を待つ。
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
若干の戸惑いを見せつつも、つぐみさんはゆっくりと両手をわたしの胸に伸ばす。
やがて彼女の両手が左右の乳房を捉え、優しい手付きで揉み始めた。
「美夢ちゃんのおっぱい、本当に柔らかい……それなのに弾力もあって……前に触らせてもらった時も思ったけど、すごく気持ちいいよ」
つぐみさんは感嘆のため息を漏らしながら、感想を聞かせてくれる。
大好きな人に胸を揉まれる快楽と、満足してもらえることへの喜び。
いまにも絶頂してしまいそうだけど、歯を食いしばってどうにか耐える。
「わたしの胸は、つぐみさんの物ですから、んぅっ、好きなだけ、ぁんっ、揉んでくださいね」
平静を装ってみたものの、完全には喘ぎ声を抑えられなかった。
「ありがとう。わたしの胸は美夢ちゃんの物だから、好きなだけ揉んでねっ」
「っ!?」
つぐみさんのことだから、決してエッチな意味で言ったんじゃないと思う。
だけど、その言葉はあまりにも刺激が強い。暴力的とすら言えるほどの魅力を秘めている。
いまの発言は脳にしっかりと刻み込まれ、今後何度も反芻することになりそうだ。
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