破門

紅乃曰く、名前を取れば記憶が消せるらしい。

あれだけ嫌だと叫んでいて絶対に見るなという肩と肋骨を見せてくれた。二つの名前以外にも沢山ある。これは要するに沢山の持ち主から捨てられた事になる。

「どうやったら消えるんだ。」

「名を呼んで破門すればいいと思う。それで記憶も消せる。」

「じゃあ破門するか。光、六花、冷……。」

数えると十を軽く超えていた。

「はい終わり。」

「ねえ二つ残しているよ。」

「なんだ、気に入ってるんじゃないのか。」

「そうじゃなくて。一つにして欲しかっただけ。」

なぜか紅乃は、一つにこだわる。なんでだろうか。

「なあ緋この名前気に入ってるんじゃないのか。」

「うんん、他の楽器はみんな一つじゃん、だから紅乃だけでいい。」

「別に一つじゃなくてもいいじゃん。気に入ってるんじゃないの緋」

「えっでも、なんか悪いじゃん二人の主人がいるみたいで。」

「そんなことないぞ、むしろいいんじゃないか。」

「うん。」

さてと話していたらもう十時を過ぎる。

「どうしよう。課題が終らない。ある意味終わった。」

「教えてあげる。けど家庭教師代もらうけどね。」

「頼む手伝ってくれ。」

たまにこんな問題も分からないのと煽られるけど何とか一時間で終わった。




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