第12話差し入れ

0時を回っても

君が仕事してるのを知ってて


わざと隣の駅の24時間開いてるスーパーへ買い物に行って

偶然みたいにアトリエの明かりを見に行ったの。


窓からこちらを見て

おーいって呼んでくれるのがたまらなかった。


コーヒーとおにぎりをビニール袋から

オシャレな茶色い紙袋に入れ替えて

あなたに届けた26時。


人間の欲望まみれになったその日の2万円を握りしめて

スーパーであなたのコーヒーとおにぎりを買う時間が幸せで


窓を開けて

おーいって呼ばれる事だけが


私の居場所だった。




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