トゥダイ

ガチャっと2人のストーリが始まった部屋の扉がまた開いた。


「hi ruuzi!」


この呼び方はもしかして...!


ここのバックパッカーのオーナのロブが部屋に上がってきた


小太りというよりは中太りのおっさんがオーナロブ


「how are you?」から始まり僕らは軽ーいお話をした


お話をしてるけどロブは強いkiwiアクセントの持ち主

あのマイクよりも強いんじゃないかってくらい強くて


話してる8割は英語じゃない何かに聞こえるから

僕は久々に笑うべきタイミングで笑って

相槌をうつべきであろう時に相槌をうった


雑談はそんな感じでいいんだけど肝心な仕事の話


この話は僕のモテる力を駆使して話を聞かなければ


どうでもいいけど、誤字って持てるじゃなくてモテた

誤字ったらモテた。現実ではモテてないのに...cut!


ロブが次の話をしようとして一呼吸おいたその一瞬

その瞬間に言葉通り切り込んだ質問をした


「when can I work」(いつ働けますか?)


おおっとそうだった忘れてたみたいな顔をしてロブが答えた


「I forgot ... apple ... factory ...」

(忘れてた...リンゴ...工場...)


本当に聞き取るの難しい。聞こえてくる単語をひたすら並べ理解を図る。

そしてロブは次の話をしようとして一呼吸をおいたその一瞬


その瞬間に言葉通り一瞬の休憩をした


「actually...can work to die ...haha」

(実は...死ぬために...働けるよ...笑笑)


ん?聞き間違いか。

きちんと言葉を理解できてないだけだな


てかなにわろてんねん


「can you say that again last part?」

(最後のとこもう1回話してくれますか?)


中途半端にしか理解できない

ロブの言ってることを再度理解しようと試みる


「sorry you can work to die haha」

(ソーリー ユー カン ウォーク トゥー ダイ ハハッ)


まって、やっぱり聞き間違いじゃないよ?


kiwi訛りはイギリスなどのブリテッシュの訛りに近いから

can(キャン)はcan(カン)に近い音になるけど


トゥー ダイはto dieしか知らないぜ...?


てかなにわろてたねん


「to die...?」(死ぬため...?)


「イエス トゥダイ」


次はにこっといつかみた誰かみたいに素敵な笑顔で言う


拝啓親愛なるお母様


ニュージーランドに来てから色々なハプニングを掴んできましたが

今回はまた違ったものを掴みました


こんな生活ばかりしているもんですから

何度も、ずっと、思ってることがあります。


私はちゃんと日本に帰って1月に成人式に出ることは出来るのでしょうか


とか言いつつ僕は元気に暮らしていて

これから神になるか仏になる仕事をします


to dieのための仕事が始まる僕は

9883km先にいる母へ心の中でメッセージを送った

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