ひさびさの母の味

出会って日が浅い人と...


いや、時間が浅い人(男)と同じベットで寝るなんて


たとえベットがダブルベットでも、フランスは気にしないのだろうか


だってあれだよ?


寝返りうってその衝撃で目が覚めるかもしれないし

いびきうるさいかもしれないし、寝顔見られるの恥ずかしいしって...


やだ...


恋してる女の子みたいになってるじゃないの...


そんな僕の様子を気にすることなく携帯を充電しながら見てるフランス


男心に気づかない鈍い男だ


僕は恐る恐る布団に足を入れる


左足からそろり、そろりと...


そして足、ふともも、おなかの順にふとんに入っていき

肩までついて睡眠体制を整えた。


あれ、フランスが近くにいない。


てっきり、すぐ横にいるフランスの肩に僕の肩が当たるとか


寝返りを打ったら横に顔がある。


みたいな展開をよぎっていたが


現実は肩なんて当たらないで寝返りを打てたし

寝返りをして生まれた布団の風が2人の間をなびく


寝返りを打っても、手を伸ばせば届きそうなちょっとだけ遠い距離のとこに後頭部が見える。


安心した。そして安心してくれ


僕はその手を伸ばすことはないだろう


とりあえず憂鬱は杞憂で終わって助かった。


僕は安心して眠りつけた。


本当に安心して眠れた


夜中に途中で起きるなんてなかったし


今までの寝床が問題あるだけそうだけど


それでも、ふつうの一軒家がもたらす安心感はんぱない。


フランスは安心して寝れ...


あれ、


となりにフランスがいない。


昨日は手を伸ばせば届きそうな距離にいたのにどこへ?


携帯画面にはなんぼか通知が来ていて


そのうちの1つにfranceの文字が見えて通知を開いた


「moaning I have work today 」(おはよう、今日仕事ー)


黄色いネズミのアイコンがそう言っていた


今日仕事だったんか。


明日(今日)の予定についてお互い話してなかったから

お互いの予定がわからなかった


やっぱニュージーにいる人は適当だな。って


昨日初めてあったやつを住ませて、

そいつが起きる前に家を空けて仕事へ行く


日本人だったらどうするんだろう?


この適当な感覚に触れすぎて日本の感覚が薄れてい く


ぎゅるるる...


お腹すいた。


ま、そんなことはいっか


「moaning I’ll looking for job」(おはよう、仕事探してくる)


僕の予定を赤いほっぺたのネズミに送ってリビングへ向かった


「moaning did you sleep well?」(おはよう、よく眠れた?)


リビングにはフランスのママがテレビを見て


フィリピンのドラマ?みたいだ


「morning yes! 」(おはようございます もちろんです!)


「okay have a seat I’ll cook breakfast」 (おっけい、居座って、ご飯作るよ)


そうだ、ご飯作ってくれるんだ!


母の作る朝ごはんとか幸せすぎる


何ここ天国ヘブンなの?


「thank you very much!」(本当にありがとうございます!)


僕は精一杯、感謝のありがとうを伝えた。


フランスのママが作ってくれた朝ごはんはとても美味しかった。


卵にソーセージと細長いジャスミンライスの簡単な料理なんだけど


心に温かいものを感じる。


世界で1番美味しい食べ物は僕のために作ってもらうご飯だな


なんて思った。


世界で2番目に美味しいものは僕以外が作るご飯だな


これは割とガチで思っている


自炊始めて数ヶ月、白米の上にキウイをトッピングする料理センスの僕が言う。


説得力しかないだろう?


僕は3口目のご飯を頬張った


「thanks breakfast!」(朝ごはんありがとうございます!)


と言って開いたお皿を洗い場に持って行こうすると


「don't do this」(やんなくていいよ)って


国や国籍は変わっても母は母である


お言葉に甘えて洗うのはお願いすることにした。


ご飯を食べて、


いよいよ今日の予定であるお仕事さがしを!


今日は目的駅だったSylvia park(シルビアパーク)駅から乗って


昨日は始発だったBritomart(ブリスマート)駅を終点とする


さぁ、AT HOPをタッチして(また)オークランドへ!

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