第11話 駄女神の説明 その4

 コウは自分のスキル、空想現実魔法には誓約がある事に残念がってます。

 まあ、ガンプラの本物?実物をだして、それに乗って戦う事が出来ないのですから。

 


 『まあ、乗って戦う事は出来ないにしても武器は出せるか‥‥‥うん?まてよ!て、ことわだ‥‥‥デンドロビウム出せないじゃないかよ!』



 コウは更にまた、残念がります。

 因みにデンドロビウムとは、18メートルあるモビルスーツを強化武装させる巨大な武器の乗り物。

 全長は140メートルあり、模型の1/144のサイズでも1メートルはある巨大さ。

 人が乗るサイズに縮小しても、14メートルはあるんですねー。


 そんな残念がるコウを尻目に、エスティは二人に、



 「で、さっきも言ったけど、あなた達二人にはこの国‥‥‥いえ、この世界を救って欲しいの」



 エスティが腕を組んでコウと千代に、ニコリとして言った。

 のはいいんですが、やはり千代は不安で仕方がない。



 「‥‥‥この国、いえ、この世界を私とコウちゃんが‥‥‥出来るんですか?本当に」

 「ええ、出来るわよ。女神の私が保証します♡」

 「けど‥‥‥」



 エスティ、表面上は出てませんが、まだ気分は浮かれている状態。しかし下を向いて悩む千代を見て心配したのか、エスティにコウは詰め寄りながら、



 「エスティ‥」

 「うん♡なに?♡」

 「多分千代はどうすれば元の世界に戻れるか不安なんだよ。本当に戻れるかどうか」

 「えっ?あ〜、そうよね〜」

 「そうよねじゃないだろ!俺だって戻れるか心配だ!」



 エスティの「そうよね〜」に、コウは少しイラつき、エスティに言葉を返した。

 そんな二人を見たエスティは、なにを勘違いしたのか、



 『‥‥‥そうか、二人とも親と離れて寂しいのね。だったら私が!』



 なんて、なんだがブツブツと独り言を言っていたと思っていたら、いきなり「ポン!」と両手を合わせて、



 「そうよね‥‥‥!、だったら私があなた達のお母さんになってあげる♡」

 「「はあ?」」

 「あっ!お母さんじゃなければ、お姉さんに♡」

 「「へぇ?」」

 


 いきなりのこのセリフに、コウと千代はキョトンとした顔をして返事をします。

 そりゃあね、いきなりこんな事言われたら、誰だって「はあ?」になりますよね。

 ただですね、エスティのこの悪気の無い表

情を見た二人は何も言い返せないでいましたよ。まあ、ああ見えてもエスティは女神様だから癒しの力はあるんですよね。

 コウと千代が、その力にかかったか、かからなかったかはわかりませんけどね。



 「で、さっきの質問。エスティ、俺達は元の世界に戻れるのかよ!」



 コウが更にエスティに詰め寄り言う。その後ろで、不安そうな千代は首を縦に振ります。



 「‥‥‥‥‥‥戻れるわよ♡」

 「エスティ!今の間はなんだよ!今の間は!」

 「えっ?♡」

 「えっ?じゃないだろ!」

 「戻れるわよ。‥‥‥魔王を倒せば」

 「魔王を倒せば‥‥‥」



 コウと千代は、エスティの「魔王を倒せば」のセリフに深いため息をします。

 そんな二人にエスティ、



 「それに貴方達、この世界の人々がどうなってもいいの?」

 「「うっ!」」



 二人の深いため息に更に追い討ちをかけるエスティのセリフに二人の心は痛みますよ。

 


「せっかく魔王を倒せる力があるのに、それを使わないで元の世界に帰るの?」

 「「うっ!うっ!」」



 更に二人の心にツッコミを入れるエスティ。そんな二人の心が痛む様な表情を見たエスティは、しめしめとした顔をすると、コウに上目目線で、



 「お願い♡貴方達しかいないの〜♡」



 なんて甘い言葉で言ってきましたから、コウは少し心が折れそうになり、千代に助けを求めるかの目で千代を見ますよ。そんなコウを見た千代は、



 「‥‥‥はあぁぁぁ〜。わかったわよ」



 深いため息の後に返事をした。

 エスティ、いきなりパッと明るい表情をすると、



 「ありがとう♡二人共♡『これで私も真の女神様に‥‥‥グヘヘへ』」



 お礼を言ったエスティ。けど同時に裏ではこう考えていたんですね。



 

 

 




 

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