第16話 俺tueee!!回。。

魔王軍四天王である。デンゼルはマドウを見据えていた。

先ほど子供が話していた人物だと納得の表情



「ああ、貴方ですか。てっきり逃げたのかと、思っていました」



明らかな挑発。しかし、何か作戦があるわけではない。自身に圧倒的な自信を持っている、勝ちを確信しているからこその余裕



「お前たち大丈夫か?遅れてすまなかった。」


冒険者達を見回して、彼らに呼び掛ける。ボロボロだが、死者はいない

何とか生きている


「大丈夫だ、、後は頼む」


リーゼンが、膝をつき額から血を流している。もう動くことはできない。

それほどの、消耗を感じた

リーゼン以外も、そうであった



「ああ、」


マドウが呟くと、デンゼルとハドウを交互に見た後、そのまま堂々と近づいて行った

その奇行にデンゼルは、馬鹿にしたように笑い出した


「余裕があるようなのは、構いませんがそんなにゆっくりで大丈夫ですか。私達は、ただの魔族ではありません。」


マドウは、歩みを止めなかった。ただ、近づいて来る

十メートル、九メートルと距離が埋まっていく


「私たちは、魔王軍四天王。その余裕がいつまでもつか、楽しみですね。」


「そうか、、」


特に何か、アクションは起こさない。四天王と聞いても、構わず足を止めない


「まずは、余裕を剥がしてあげましょう」


デンゼルは、杖を振ると魔法陣を展開。そのまま、マドウに向けた。しかし、だから何だと言わんばかりで近づいていく



「いったん引け!」

「そうだ!それはヤバい!」

「マドウ!逃げて!」


リーゼン、ライズ、マモルが大声で叫ぶが、




「問題ない、、」





魔法陣の目の前に立った。そこから動かない


「貴方死ぬつもりですか?愚かにもほどがある。四天王の名を聞いて、頭がおかしくなりましたか?」



マドウの奇怪な行動に、デンゼルも異議を唱えた。しかし、彼は、、


「避ける必要はない。 」


そう、言い放った


「いいでしょう。どうやら、力の差すら分からないようだ。骨ごと、燃やしてあげましょう!」


杖をもう一度、振ると魔法陣が赤く光りそこから、灼熱の業火が放たれた

マドウと業火の距離、僅か一メートル。当たれば、死は確実という距離



「逃げろーー!」

「馬鹿!野郎!」

「何で、そんなこと!」

「マドウ!」


周りからは、必死の声マドウが死ぬことを察してしまった。

デンゼルもあっけなすぎて、言葉も出ない。

はずだった。



炎が鎮火した。

放たれた、光線が一瞬で鎮火した。

始めからなかったように、力が急にプツンと糸が切れたように切断された


こんな現象は、見たことがない。強制的に力を無効にした。何が起こったと全員が理解が未だに及んでいない

自身の前では、何食わぬ顔で、デンゼルを見るひとりの男



「貴方、今何を、、」


絞り出された声。デンゼルの物だ。



「お前に、言う必要はない、」


そのまま、マドウは再びデンゼル達に近づいた。デンゼルは咄嗟に後ろに下がりつつ

魔法連射

先ほどより、各段に強力な魔法を五展開。炎、水、風、土、全ての属性を放つ


しかし、

再びすべてが、無に帰した


「、、、炎だけではなく、全ての属性魔法を無効?、、固有魔法ですか、、!」


後ろに下がりながら、分析をしながら距離を取る。ハドウは全く動かず攻防を分析


「どうやら、相性が悪いみたいだな。」


見かねたハドウが指を鳴らしながら、マドウと向かい合う。元々距離がない何時でも 

タイマンが始めたれる位置取りに居た


「お前、強いな!俺には分かる。」


「、、、、」



いきなり語りだすハドウに、無言のまま向かい合う。彼は嬉しそうに笑っていた



「俺は、強い奴と戦いたい!そのために生きてきた!昔から自身を高めて、高めつくした。そして、今のステータスを手に入れた。」

「どうでもいい。お前の無駄話など、聞きたくもない」

「そうかっ、、よ!!!」


いきなり、剛腕を振り上げ殴りかかった。

、、剛腕から繰り出される、異常とも思える圧がある拳

速度もかなりある。人知を超えた者が繰り出す。撃


しかし、それを軽々と体を逸らして避ける


「良く避けたな!」


そこから、連撃。ラッシュ。

周りは、見えてすらいない。ただ何かが起こっているとしか認識は無かった


「どうした?、、当たらなければ、意味がないぞ。」

「うおお!!」


雄たけびを上げ、なおも拳を振り続ける。当たらない事に徐々に焦りが生まれ始めた

防御に徹していたマドウは、攻めに転じた。


右ストレートを、軽く避けそのままハドウの腹部に拳を叩きこむ

そのまま、くの字に曲がり上空に舞う

上空から落ちてくると、砂ぼこりが舞う。ハドウは腹部を抑えていた


「これほどとは、、、、」


ハドウは、背の斧に手を掛けた

それをグルグルと頭上で回し、遠心力をつける。


「、、お前に敬意を払おう。」


彼の体に、魔力が帯びる。身体強化魔法。

純粋に力ある者が使えば、その力は、上級魔法より強力になる

斧がい所なほど回転し、気流が生まれて強風が吹き始める


「、、、、」


マドウは、腰の刀に手を掛けた。風で髪が揺れる

振り回しながら、ハドウは走りこんでくる


「避けれるものなら、避けてみろ!。」


斧の原型など最早見えないほど、強烈に回転した武器を振り下ろす。

 その時、、

世界が輝いた、、光が一瞬世界を覆った


直後、鞘に刀身を収める音が聞こえる



「<煌めく世界>」



斧は、気づいたら宙に飛んでいた。複数にばらばらとなり

ハドウの手には、柄だけ。

自身の完全な敗北を悟った。


「ここは、お前たちが来るところではない。見逃してやるから、今すぐ消えろ。」



マドウが、デンゼルとハドウをに目を向け言い放った


「殺さないのか?」


柄を握り、もはや戦う気は無くなってしまった。ハドウが呟く。自身は魔王軍の四天王

他種族なら、誰もが忌み嫌う存在。それを逃がすなど、信じられない


「二度は言わない。去れ」

「、、引きますよ。」

「、、、分かった」


デンゼルとハドウは、一瞬で離脱した。悔しさと困惑を顔に写しながら

そう、つまりは勝ったのだ


「、、帰ったのか?」

「おおおお!」

「やったぞ!」



村が喜びに溢れ始めた。抱き合って喜んだり、泣いているものも居るだろう


「マドウ!」


マモルがマドウに走りながら、寄って行く。マドウの抱き着いた


「良く、頑張ったな。」


マドウは微笑みながら、頭を撫でた


「やっぱり、マドウは強かった!カッコよかった!」

「そうか、」

「僕もマドウみたいな、冒険者になるよ。」

「そう言ってもらえると嬉しい、、」


二人のそばに、リーゼンもよろよろになりながらも近づいてきた


「まさか、あそこまで強かったとはな、、、知らなかったぜ。大したもんだ!」

「、、まあな、、」


「お前は、この村の英雄だ!もっと胸を張れ!」


大声で声が響きわたる。周りも歓声が聞こえ始めた


「ありがとう」

「良くやってくれた」

「最高だぜ」


拍手をしながら、賞賛が響く。マドウは、無表情をつらぬくが、何処か嬉しそうだ


拍手に包まれたマドウは直ぐに、切り替え他の冒険者たちの治療。

ギルドへの報告、などをこなす。行く先々では、祝福と感謝であふれた

こうして、四天王襲撃が幕を閉じた





しかし、これを機にマドウの名が

世界に轟くことになる





スターリン王国。


王国会議・王国の偉い者、そして騎士団の団長が集まり


「遂に、魔王軍が動き始めた。一刻も早く勇者を召喚しなければ!」

「しかし、まだ魔力が集まっていない!」

「何とか、無理やりにでも集められないのか!」

「民から、一部集めているがそれでも、まだ足りない」


それぞれが国において重要な位置取りの人物。それぞれ意見を主張し合う。

ヒートアップしていく、会議を国王である。オールズ・スターリアが止めた。


「落ち着け。冷静な判断を心掛けるんだ。」


彼こそがスターリア王国の国王。彼の言葉に、全員が押し黙った


「魔王軍。しかも四天王が動き出したのは、驚きだが被害が出たわけではない。むしろ撤退させたのだから、こちらが優位に立っていると言う所。奴らも四天王が引いたとなれば、直ぐには動かないだろう」


冷静に状況を判断して、議論をより良い方向に導く。


「もうすぐ、召喚に必要な魔力もたまる。勇者が召喚されるまで、あと少し、、、その件は置いておいていいだろう。それより、四天王を退けた男について、今は議論すべきだ。」



「そうだ!何者なんだ。四天王を二人も退けたのは!」

「全く寄せ付けず完勝したと聞いたぞ!」


再びヒートアップしていきそうな、現場に国王が咳ばらいを払い一度議論を中断


「騎士団長、貴殿の意見を聞きたいのだが?」


1人、冷静な顔で会議に参加している。

この国の平和を守っている、騎士団の団長

ジーク・ドラーリ。爽やかなイケメン男子であり、女性人気を高い


「そうですね、、ひとまず、彼、マドウ・ロッタールに会ってみたいですね。」

「その後は、どうするのだ?」


国王が聞き返すと


「問題なければ、彼に任せてみてはいかがでしょう?次世代の勇者の育成を、、、、」






「一人の人間に、敗北か、、、」

「「申し訳ありません。」」


玉座の上で、座る男が、不満げに呟いた。デンゼルとハドウは、膝をつきながら頭を下げる。今回は、膝をついているのは三人。


デンゼルとハドウとその横に一人


「もう一度、私に行かせて頂ければ、、」

「その必要はない」


デンゼルの言葉の途中で無理やり、断ち切った


「それほどの、人間がいたとは、、、お前たち二人が敵わないとなると、よほどなのだな、、、」


「、、完全な敗北でした。」


ハドウは、悔し気に呟く。拳を握り、俯いたまま


「その男、少し興味がわいた。、、、ライオネル、お前はどう思う?」


膝をつき、顔を下げていた男が顔を上げた。

バランスの良い体系で、腰には通常サイズの剣

顔だとは整って若い。


「そうですね。、、、、それほど強いと、敵に回すのは、厄介かと。

出来れば、我らの軍には行って貰えれば理想でしょう。二人の話を聞くと、魔族は絶対殺すなどといった、感情はないでしょうから。、、、、」


二人は見逃されて、ここに戻ってこられた。もし、マドウが殺す気なら今はもういないだろう

二人も分かっているからこそ、顔がゆがむ



「ふむ、、、その手もありか、、、だがそう簡単に我らの仲間に、なるとも思えん。、ライオネル、その男の調査をし、報告しろ」


「分かりました、、魔王様」


玉座に居るのは、魔の王。

全ての魔族を率いるトップ。そして、ライオネルも四天王の一人。


「、、、人間を魔王軍に居れるおつもりですか?」


、、、デンゼルが、反対の意見を遠回しに告げた。


「仕方なかろう。わが軍の最高戦力が、二人も敗北すれば本来使わない手も、使うべき。そして、その力が手に入る可能性があるなら持つべきが利口だろう?」



魔王がデンゼルに聞き返した。反対のデンゼルだが、マドウに負けてしまったため何も言えない



デンゼルが押し黙ると、、


「、、魔王様。御子息の捜索は良いのですか?」


ライオネルが魔王に聞いた。



「構わん。我が子達は、戦争に巻き込まないと決めた。、、不満がある者がでてきそうだがな、、、」


「私は、ありませんが、一部からそのような声が、、」


「、、今はいい。それよりも、各自各々成すべきことをなせ」


魔王が僅かに、顔をしかめながらも四天王たちの命令を下した














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