第6話

(今日は、ミナミさんのとこで依頼だ。)


何時ものようにギルドに向って行く。例の如く、話されている。


ギルドに着くと、ドアを開け中に入り掲示板を見る。その間にちらりと確認する。

ミナミが受付のところにいるのを確認


(よし!、居る。さーてと、今日も俺tueeしますか!)


そんな感じで、依頼を眺めていると後ろから声がする


「よう、今日も精がでるな!」


「リーゼン、、」


マドウが信頼を寄せるリーゼントヘアーのリーゼンだ。


「依頼決めたのか?」


「いや、まだだ」


他愛もない。世間話をしながら、お互いに掲示板を見る


「そういや、最近魔王軍があんまり動いてないらしいな」


「そうらしいな、、」


魔王軍とは、大体想像つくが魔王を筆頭に構成されている魔族の侵略軍だ。

魔族は人間と変わらない容姿で、尻尾が生えている


「その対策で、スターリア王国が勇者を召喚するとか、、、」


「ああ、それも聞いたな」


(前世で何回もな、、嫌なんだよね、いきなり来てチート使われて。まあ、この村に来なければ別にいいか、、、)


魔王軍とは嘗て戦争、今は少しだが膠着状態であるらしい。しかし、それはここよりはるか離れたところの話


だからこそ、世間話のような感じで話すことが出来る。


「前はかなり、ハードな戦争だったらしいな」


「もう何年も前だぞ、今は余り動きが無いのに、このタイミングで勇者か、、、」


「王国も、大人しくても魔王軍は潰したいんだな。」


互いに依頼を選びながら、会話を進める。やがて、マドウは依頼を決め手に取る

リーゼンもそれを見ると流石と言わんばかりの表情


「ほお、ブラックライオンの討伐か。高ランク冒険者でもてこずるのに、、一人でか」


「ああ、、、」


その依頼をもって、受付の所に持っていこうとすると

ギイとギルドの扉が開いた。何故か、わからないが全員が視線を底に置く。


そこには、ここら辺では見たことない少年が居た。黒髪で黒い目。身長はかなりある。

さらに、イケメンであり同時に、優しそうな顔でもある

これなら、マドウもさほど何とも思わなかったのだが、、、、、


問題は格好であり、服装。この辺りでは見かけない物だった。だけど、何処かで見覚えがある


何処でと言われれば、一つしかない。前世だ。


その少年の格好は、学ランだった。

少年は、ギルドに入ると困ったように話し始めた


「あの~冒険者登録をしたいのですが、、、」


他の冒険者達も、顔を見合わせながら手で指示をして受付に行くように促す。


「あ~どうも、ありがとうございます。」


柔らかい笑みでお礼を言いながら、受付に向かう。回るの冒険者たちは見ない格好とこの辺では見ない顔のダブルパンチで、少しざわつく


リーゼンもその一人で


「見ねえ顔だな。それに、変わった格好をしている。どっから来たんだ?なあ?マドウ、、!」


リーゼンはマドウに話しながら、マドウの変化に気づいた。頭を抑え下を向いている


「大丈夫か?具合でも悪いのか?」


マドウは、その体制のまま答えた。


「いや。、、、何でもない」


(、、、、待ってくれ。これは、俺の嫌いな展開だ、、いや、もう分かり切ってるよ。この後祭りだよ。皆大騒ぎだよ、、)



少年は、受付の所に行き、ミナミに声を掛けた。

ミナミは何時もの万人受けする笑顔だ


「あの、冒険者になりたいのですが、、」


「はい、わかりました。まず、、」


ミナミはそう言うと、机から一枚の紙を出しそれを机の上に置く


「それでは、まずこの書類に個人情報を書いてもらっていいですか?」


紙を少年に向けて、ペンを差し出す。すると少年は気まずそうに、頬をかいた


「実は、僕文字がわからないんです、、、、」


「ええ?その年でですか?」


「す、すいません」


ミナミも少し予想外らしい。17か18はあるように見えたので、この年で文字が書けないとは思わないようだ。


少年は気まずそうにしている


(はい!確定演出でたよ。この世界で、その年齢で、、文字分からんとかありえないから、。マジかよ。ついに来ちゃったよ)


マドウは無表情で見てはいるが、何処か落ち着きがない。周りの冒険者たちは文字が書けないと知ると、クスクス笑い始めた



「おい、おい。どんな田舎から来たんだ?」


「あの年で、文字書けないって、、ありえない」


「変な奴が来たもんだ、、」


他の冒険者たちはお決まりのセリフで、少年を馬鹿にする。

それは、リーゼンも


「おいおい、大丈夫か?文字が分からないんて?」


(全員、お決まり過ぎる。この後大どんでん返しになるぞ)


ミナミはペンを持ち、紙を自身の方に向けて質問しだした



「では、まずはお名前はなんですか?」


「天道ハクトです。、、あっハクトが名前です。」


ミナミが紙に名前を書いている。


「では、次に出身は何処ですか?」


「えーと、、何というか、、、、凄い東にある、、とある村なのかな?」


説明が難しいのか、うまくまとめようとしている。


(お決まりのセリフ言いやがって、、、)


マドウはそれを見ながら、テンプレの光景を眺める。




「え?あの質問してるのはこちらなのですが、、、とりあえず、住所なしでいいですか?」


「あっはい。ダイジョブです」



再び、紙に書き込んでいる。しかし、すこしミナミは解せないと言った感じだ。


「あとは、自由なんですけど、ステータスを見せていたただければ、こちらで見合った依頼をご紹介することも出来ますけど、、、どうしますか?」


「そうですね、、、せっかくなので、そうします。」


「では、お願いします」


ステータスは相手に見せる時、ゲーム画面のようにして相手に見せることが出来る


(来るぞ、、、、お決まりが、、)


「こんな感じですかね?」


少年がミナミに画面を向ける。ミナミはそれを覗いて、目を見開いた。


「えええ!」


その声は、ギルド内を貫き視線と、興味を持って行った。全員が意識を向ける


「なんだ?」


「どうした?」


「何かあったのか!」


ステータスを見ながら、ミナミは言葉を紡いだ。

声は大きくないが驚きが凄いようだ


「ステータス平均、5000オーバー、、」



「「「な、何だってええええ」」」


(は?は?いきなり5000オーバー?いくらなんでも高すぎじゃね?俺のステータス最初は200くらいだったのに、、、、)


マドウも流石に、それには驚いた。周りは驚きで大騒ぎ。

誰もかれもが、ハクトを何者だと警戒する


「えっ、これって凄いんですか?」


「凄いですよ!」


とぼけた感じで、あんまり反応を示さない。


(畜生、、、こいつuzeeee。凄いってのは分かってただろ。周りがあんなに驚いてたんだから、、、何で聞いたんだよ、、)


「へえー。何か良く分からないんですが、、」


「凄いですよ。上級魔法も使えるじゃないですか!」


「「「な、なんだってー」」」


上級魔法が使えると言うことに、さらに周りが驚く。


(は?は?は?上級魔法?、、、俺が使えるまで10年以上コツコツ頑張って、きたのに、、異世界初日で?、、、まじ引くわ、、)


「と、取りあえず登録完了しました。依頼は用意しておくので、少し待って居てください」


そのまま、ミナミは奥に急いで言ってしまった。どうやら、ミナミ一人の手には負えないようで他のギルド職員に意見を求めていた


(何かここで、ミナミさんに依頼持って行っても、かませ犬じゃないか?、、、今日は、他の職員にしよう、、、、)


ツバキの所に、依頼の紙を持って行った。


「、、、頼む。」


「ええ、分かったわ、、」


昨日の事もあり、すこし気まずいお互いに目は合わせない。

合わせないまま、ツバキが口を開いた


「あの子、何者なのかしらね?」


「、、異界から来た賢者かもな、、、」


「それは、無いと思いけど、、」


マドウからしたら、真面目にほぼ正解を言っているのだが、ツバキはそれは無いと思っているようだ


依頼の承諾をし終えるとマドウは外に出る


(今日は、何をしても影が薄い気がする、、平均5000か、、、まだ俺の方が上だが、、急成長とかして、一気に抜かされたりしないよな?それはないよな)


一瞬悪い予感がするが、それは無いと何年、何十年と積み上げてきた。

自身のステータスがそう簡単にぽっと出の異世界人、転移クソ野郎に抜かされるはずがない、、、、


、、、、しかし、嫌な予感と言うのは、こういう時に当たるのだ。


























































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