「グレーゾーンのハルと感動の個人面談」 2016年6月16日(妻より)
この間の幼稚園の参観行事で、ハルの落ち着きのなさ、集団行動の苦手さを改めて確認。
ハルはいつも通りだったけど、他の子ども達との違いは際立っていて、やっぱり発達障害(ADHD)怪しいな、と思い、連絡帳に
「何か幼稚園で困っていることや、家庭で心がけてほしいことがあれば、いつでも言ってください。受診が必要なら、それも言ってください。」
と書いたら、すぐに先生から連絡があり、幼稚園での様子をお話ししたいので、お父さんとお母さんと一緒に来てください、とのこと。
早速、約束をして、みんなで行ってきた。
担任の先生がハルの幼稚園での様子を話してくれた。
先生はハル君も一緒に聞いていていいよ、と初めから言っていたし、ネガティブな言葉や内容は一切話さず、ハルが幼稚園でいかに楽しく過ごしているか、どんなに成長しているか、ということを話してくれました。(下に書いてある内容のうち、ネガティブな内容は先生の話から親が察したものです。)
遊びの発想が豊かで、楽しく遊ぶのがとにかく得意!
最近はハルのアイディアで周りの子を巻き込んで、クラス全体の遊びになることもよくあるんだそう。
そんなときなんかは、大人数の中で、みんなと協調して遊ぶ姿もみられるようになってきたらしい。
お友達との関係もずいぶんうまくなってきたらしい。
ハルが泣いていると(思い通りにならないとすぐ泣く)、他の子がティッシュを持ってきてくれたり、どうして泣いてるの?
と聞いてきたりして、ハルも気分が変わることが多いそう。
犬猿の仲(目が合うだけで毎回取っ組み合いの喧嘩になるほど)だったたつ君(仮名)ともある日名前を覚えたのをきっかけに、急に仲良く遊んだり話したりできるようになった。
やっぱり、「あいつは悪い奴」としか思ってなかった子が「たつ君」という名前のある人だと認識したことで、視界が広がったんじゃないかな?
一方、やはり、かなり手のかかる子ではあるようです。
先生は特にそういう言い方はしなかったけど、言葉の端々からクラスで飛び抜けて手がかかっている様子が伺えました。
こだわりが強い、強制されることを強く嫌がる、気が散りやすい忘れっぽい、という特徴のせいで、やるべきこと(着替え、お弁当の準備・片付け、帰りの支度など)がかなり遅い、もしくはできない。
この点に関しては、相当他の子とは差があるようです。
ただ、先生がおっしゃるには、今年の年少さんは落ち着いた子が多くて、ハルくらいの子も例年はちらほらいる(つまり今年はいない(笑))から、3歳の育ちの範囲内という気もする(ぎりぎり)、ということでした。
先生が話してくれたハルのエピソードをいくつか。
ハルはそう君(仮名)が大好き。お弁当もいつも隣で食べたい。
ところがある日、ハルがお弁当前の着替えに手間取っている(着替え袋に入っていたチェックのズボンが気に食わなかった)間に、みんなはお弁当の準備がすすみ、そう君の隣がふさがってしまった!
そういうことはそれまでも何度かあって、でもハルは主張が強いから、先生もちょっとつめてね〜と後から入れてくれたりしていたらしい。
でも、その日は、そう君の隣にいたのは、そう君の隣がいい〜、と言ってその席を選んだ2人だった。
だから、先生は不公平になるから、ここは譲れない!と「次からは早く準備しようね!」とハルを説得していたらしい。
そのタイミングで他の子が「隣空いてるよ。座っていいよ!」とハルに声をかけてくれたらしい。
そしたら、泣いたりわめいたりせず、すっと落ち着いてそっちに座ったそうな。
同じようなことは他にもあり、帰りの支度が済んだ人から先生の前に座って、全員がそろったら本を読んでもらえる。
早く準備ができた人から、前の方の見やすいところに座れる。
それも、やはりハルは遅くて、なかなか座りたいところに座れず、でも、ある時から、先生が「早く支度したら前の方に座れるよ!」と声かけすると、急いで集中して準備できるようになったんだって。
さっきのお弁当の話も次の日からは、急げるときが増えたとか(もちろん、すぐに忘れているから、いいタイミングで先生が声かけをしてくれている)。
チェックのズボンの話には続きがあって、その日は着替えバッグの中にもう一本違う替えズボンが入っていて、結局、お弁当前の着替えの時にはそっちをはいたらしい。
でも午後の遊びでも、水や泥をやっていて、「ハル君、そのズボン汚したらチェックのズボンだよ?大丈夫?」と先生が声をかけてくれたらしい。
そしたら「大丈夫。」と答え、次の着替えではすんなりチェックのズボンを履いたらしい。
そうやって、やりたいことのために嫌なこともがんばれることが増えてきた。だから、ハル君はこの数ヶ月でものすごく成長してますよ!と言ってくれた。
でも私は、そういったエピソード一つずつより、ハルの特徴をこれほど正確に理解して、タイミングよく声をかけて、誘導して、ハルのプライドを傷つけず、導いてくれている先生に本当に感動したし、ハルの成長は本当に良い先生に巡り会えたおかげだと感謝の気持ちでいっぱいになった。
先生は若くて(20代半ば〜後半?)、いつもにこにこしているから、最初は頼りないのかな?と少しだけ思ってしまったけど、猛烈に反省。
すごく良い先生です。
頭がいいし、感受性が強いんだろうなぁ。
親でもようやくつかめてきたハルの特徴を本当に正確に理解してくれている(良いところも悪いところも)。
そして、明るくて元気。
先生からのアドバイスとしては、家庭でも、我慢させたり、甘やかしたりというより、上の声かけのように、がんばればいいことがある、というメリハリをつけて声かけしていけば、ハルが暮らしやすくなるんじゃないか、とのことでした。
そして、がんばれたときは、よく褒めて一緒に喜んであげてください。と。
そうだな!そうしよう。
それから、先生との話で気づいたけど、ハルは「決められている」という状況が苦手。
だから、「次は〜をするけど、いい?」「これとこれ、どっちからやる?」「この遊びが終わったら、〜しようね」みたいに、嫌がりそうなことはなるべく事前に了承をとっておくのがいいんだな、と思った。
そんな工夫をしていけば、少しはハルも暮らしやすく、我々も暮らしやすくなるのかな〜。
発達障害かどうか、ということは、結局グレーのまま。
先生もはっきりとどっちだとは言わなかったし、わからないのかな。
でも、実はそれはどっちでもいいと私は思っている。
問題は、今後も含めてハルが生きやすいかどうか。
私の考えだけど、発達障害って、特徴の出方も白か黒かではなく、グラデーション。
だから、どこかで線を引くことが目的ではなく、本人が育っていき、社会に出て行く過程で、その特徴がどれだけ障害になるか、本人が生きづらいかってことかな、と思う。
だから、どんなに周りの子と違っていても、本人が生きづらくなくて、周りにも迷惑をかけていないなら、そのままでいいだろうと思う。
逆に、その特徴で生きづらさを感じるなら、それを減らすような働きかけをしてあげたいと思う。
それも、親がコントロールしてうまく生きさせるのではなく、ハルが自分で自分の特徴を理解して、自分をコントロールできるような方向に成長していけるように、手助けしていきたいと思う。
そのために、家庭でのケアを指導してもらったり、専門の機関でトレーニングを受ける必要がある、ってことなら、ぜひ指導を受けたい。
だから、診断がつくなら、それは必要なんだから、ついた方がいいと思っている。
でも、通常の幼稚園や家庭の保育でカバーしていけるものなら、それはそれでもちろんいいと思っている。
なので、今回のアドバイスを参考に、家でも気をつけて、ハルが健やかに育っていけるように、家と幼稚園と連携してやっていけたらいいな、と改めて思った。
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