第二十一話 文化祭前夜
久しぶりです!
今回は長めなのでじっくりとお読み頂けたら幸いです。約3700文字
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クラスの話し合いは、爽やか委員長、、、、いや、奴の進行で円滑に進んだ。
決まった事を確認してみよう。
1、基本路線をメイド喫茶としながら、ショーとして俺らの勝負が行われる。
2、結果は、懇親会で投票。即時、結果開示という流れになっている。
なんで、2人の勝負が学校全体を巻き込めるかって?
そんなの簡単にこなす女がいるじゃないか。柑奈咲 麗奈。
彼女にこんなことがあるから、一緒に回るときに不都合が起きるかもしれないと伝えてみたところ、いい!この機会に修一旋風起こしましょうね!と謎のテンションで返事が返ってきた。なんだよ 修一旋風って
おかしなテンションでも彼女の仕事は早い。5分後には懇親会の一幕が取れたと連絡がきた。まあ それはいいとして次のルールだ。
3、1日2種の課題で2日間。 計4種の競技
4、競技内容
1日目 グラウンドにて各自選抜してきた3人のメンバーでリレー
コスプレ対決
2日目 学力対決
ラブコメ再現
こんな感じだ。
なんとも言えない競技が混じっているがこれは全て委員長推しの女子達によって強行されたものだ。 コスプレ対決、、、、ラブコメ再現、、、、、
頭を抱えたくなる競技が目白押しである。
ほんとに俺のコスプレとか誰得だよ、、、、、。
競技が決まった時には、勝ったかのようにこちらを見てるアイツとその取り巻きには腹が立ったし、申し訳なさそうにしながら実はニヤニヤしてる神田もよくわからない。俺がいなくてもアイツが競技を1人でこなすだけで人は集まりそだ。
あれ? 俺いなくてもよくね?
そう思った二秒後に携帯には二件のチャットが飛んできた。
神田 修一くんごめん! でも私の身がかかってるんだよね、、、、、、
もちろん 圧勝してくれるよね!
柑奈咲 私の王子様が負けるわけございませんよね ホホホーー
怖い なにこの脅しチャット。俺はチャットアプリをアンインストールすることを前向きに検討しておく。
まぁ 競技はみんなが知っているものばかりだ。
リレーや学力試験は簡単に勝てると思うが、問題はコスプレ対決とラブコメ再現だ。この2種目は、この対決を見た人たちが直接投票するらしいので、人としての人気の差が顕著に現れてくる。どちらかと言えば俺の苦手なジャンルだ。
まあ 負けるつもりはないし、勝つための秘策も用意している。
とりあえず、明日のコスプレ対決に備えるために衣装選びにいかなければならない。普段ならとっっっっても気が重いが、今日は楽しみだ。なんでかって?
それはな、、、、、、、、、、
俺の妹が、家に帰ってくるからだよーーーーー!ひゃっほいーー!
アニメでもよくいるだろ妹好き。だが俺はそいつらさえも凌駕する無類の妹好きだ。
普段は他県の高校で寮生活をする1つ下の妹。俺の贔屓を抜きにしても超絶美人だ。それでいてこの俺にも優しくしてくれる。 まじ聖女
そんな自慢の妹が俺の高校の文化祭が見たいと言って帰ってくる。これきた!
俺の流れきた!
、、、、、、、、、、、俺史上最大のキャラ崩壊を招いてしまったようだ。
反省 反省
そして、4時から駅前のショッピングセンターで妹の買い物に付き合う予定なのだ。その時に、隣のドンキでパッと必要なものを揃える予定である。
あの二人からも一緒に買い物をしようとお誘いがあったが、全て断った。完璧である。
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涼香SIDE
私は、特急電車に乗って2時間半。やっとお兄ちゃんがいる横浜に到着した。
その年になってもお兄ちゃんっ子なの?と笑われるかもしれないが、私はお兄ちゃんのことをすごく尊敬しているし、かっこいいし、、、、って もうやめやめ
すごく恥ずかしいから。
一人で顔を赤くしながら、横浜の複雑な地下街をしばらく歩いていると目的地に到着した。まだお兄ちゃんは到着してないらしい。寮は電話も禁止だからお兄ちゃんの声を聞くのは実質半年ぶりになる。
鏡を見て友達に教えてもらいながら初めてした化粧が変じゃないか確かめる。うん 多分オッケなはず、、、、、、
緊張するな、、、 ブサイクって思われたらやだし、せめてお兄ちゃんの隣を歩いても恥ずかしくないような女性になるために努力もした。
スマホの時計を30秒おきぐらいにつけたり、消したりして約束の時間をまった。
あっ お兄ちゃんだ!
大きく手を振るとお兄ちゃんも笑って振り返してくれる。
お兄ちゃんが私の半径2メートルに入ってきた。すかさずダイビングハグ!
「久しぶり お兄ちゃん」
お兄ちゃんも
「ああ 久しぶり 美人になったな」と返してくれる。まって超ーーー嬉しい!私はそれだけで、報われた気がした。
「お兄ちゃんもかっこいいよ!」と返すと
「お世辞ありがとさん」と返ってくる。むう お世辞じゃないのに
そんなやりとりをしていると、私は2つの強い視線に気がつく。
いかにも怪しい格好をした女性2人が私達を見ている。私は威嚇するように睨むと女性達は物陰に消えた。むぅ あれ絶対お兄ちゃんのことを好きな子達だよ。
女の感は当たるよ。なんとしてもお兄ちゃんを守るために、、、、
どうしよっかな?、、、、、、あっ 彼女みたいに振る舞えば諦めてくれるのかもしれない! 思い立ったらすぐ実行。
まずは、ボデイータッチだ。えい 自分の体をお兄ちゃんの腕に押し付けてみる。あれ お兄ちゃんが止まった? もう一回 えい 動き出した!?
お兄ちゃんがおかしいよ。でもあの女達も明らかに動揺している。
そんなことをしながら、私の買い物を済ませた後、お兄ちゃんは隣のドンキに入りたいと言った。なにを買うんだろう?
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修一SIDE
俺の妹がおかしい。
初めて化粧をしていたし、ボデイータッチも多かったし、、、、、、、、、
もしかして、男慣れしてしまったんかもしれない。由々しき事態である。
どうしたら純粋な我が妹 涼香を取り戻せるか考えながら買い物を済ませていく。この服はどうだ? このアクセサリーは似合っているか?などたくさん聞かれたが、全部同じ答えだ。「似合ってると思う」本当にぃー?と睨まれたが、事実を述べたまでなので問題はない。
全て用事が済んだ時に俺は、ドンキで買い物をしていいかと聞く。
なにを買うのと?聞かれたが正直恥ずかしくて答えたくない。黙秘した。
実の妹にコスプレするから衣装を買いにきたとは言いづらい。
賑やかな店内を横目に俺たちは二階に向かう。パーティーグッズ売り場だ。
そこまできたら涼香も悟ったらしい。ふふ と小さく笑ってから
「探してくるね」と言って俺の衣装を探しに行った。
俺もその間に、秘密兵器をこしらえに行って再び集まったのは30分後だった。
涼香が選んできたのは、西洋の騎士が着ていそうな洋服だ。
確かにアニメとかでよく見るけど、珍しさはない。これで大丈夫なのか?と聞いても「素材を生かそう」と返ってくるだけだ。正直不安だらけだが、なんとか前日準備は終わった。
俺がいつも一人で住んでいるマンションに帰ってくると、早速部屋の中を
物色される。
「ふふぅーん 女の影はなしと」
「当たり前だ 俺に彼女ができるわけない」
そう言うと、涼香はふーんと言って台所に行ってしまった。
何を作ってくれるのだろうか。
しばらくまっていると出てきたのは、ナポリタンだった。
あの料理下手だった頃の涼香はいない。完璧な出来だった。
「ご馳走様 美味しかった」
「お粗末様でした。 練習した甲斐があったよ」
「そうか ありがとうな。でも練習した手料理は俺なんかじゃなくて落としたい男子に使うんだぞ」
「うぅー 知ってるよそんなの 今実行してるんだよぅ、、、」
「最後の方が聞こえなかったがなんて言ったんだ?」
「バカなラノベ主人公には分からなくて結構ですよーだぁ」
なぜか分からないが、切れられた。本当に女子は分からないな。
食事の後には、涼香から質問攻めだった。
彼女はいないのか?
気になってる子は?
普段は、どんな女の子と仲良くしているのか?
全部、女性関係の話だった。妹よ。俺は同時に二人と付き合うような器用なことはできない。そう弁解してもしばらくは質問が襲いかかってきた。
何気ない会話。気楽な態度。それだけで心が落ち着いてゆく。
そして、兄と妹はゆっくりとゆっくりと心を溶かしていった。
夜が深まった時に目を覚ました俺は、辺りをみる。
二人ともソファーの上で寝てしまっていたらしい。風邪を引くとまずいので自分のベットに運ぶ。俺はソファーの上で一夜を越さなければならなそうだ。
「むにゃむにゃ お兄ちゃんは優しくてぇありがとぅ」
寝言なので何を言っているのかはよく分からないが、心がものすごく温まっていくのを感じる。
「おやすみ 涼香 俺の妹でいてくれてありがとう」
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あとがき
ものすごくお久しぶりです。ブレックファーストです。お待ちいただいた皆様ありがとうございます。
高校生二回目の定期試験を終えて夏休みに突入しました!って言っても部活があるんですが、、、、、
普段よりは、投稿スピードは上がるかな?
と言った感じです。今回のNewヒロインもお見逃しなく。この二人の関係も追々書いていきます。
文化祭は3部構成にする予定です。
ハート、フォロー、星、レビュー、コメントお待ちしております。
次の会でお会いしましょう。
では、また。
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