第一話 爽やかイケメンは目に毒だ。

「おはよう 修一」と爽やかに声をかけてくる、このイケメンは上野 秀介である。


 とりあえず、イケメンは目に毒なので無視しようと下を向こうとするが、俺の顎に手を添えて向き直るように仕向けてくる「くそ、なんて爽やかムーブなんだ、、」と思わず声を漏らしてしまったが秀介は「なんか言ったか?」などとほざいているではないか。


 ナチュラルボーンイケメン恐ろしやなどと、くだらないことを考えていると秀介はこんなことを話し始める。


「なあ、修一は柑奈咲さんのこと、どう思う?」


 どうと言われても、俺の「今」のレベル的に関わる次元ではないので当たり節のないように無難を心がけて答える

「綺麗で高嶺の花って感じだな。」


「クラスの友達が付き合えばとか言ってきたんだよー」


 まあ、その友達の意見も的を射ているので便乗しておく。

「いいんじゃないか。」言うと。


 秀介は笑いながら、「俺よりもっといい人がいるでしょー」と謙遜して答えてくる。

秀介のこういうところが人を引き付けて離さない要因の一つでもあるのだろう。


 話しながら歩いていると教室の前に着いた。

 俺と秀介はクラスが違うのでここで別れる。

「じゃなー」と声をかけてくる秀介に頷き返してその場を離れる。

俺の通っている綾学院大学付属高校は偏差値が県一番そして部活も強い、いわゆる文武両道校ってやつだ。

 そんな高校にもスクールカーストは存在していて、今も教室の後ろ側を陣取り鼻を高くしているカースト 

トップグループ、その少し前方にはまあまあイケてるグループ、そして黒板側に固まる陰キャグループで構成されているようだ。


 ん?俺はどこのグループにも縛られていないボッチグループだ。

それってグループじゃないのかもな、僕ちん悲しくなっちゃう。ゴッホン、すまないショックでキャラがバグってしまったようだ。


 そんなカーストは当たり前のように日々に住み込んでいて、誰も気にしてない。

そして今日も一日が平和に過ぎ放課後になった。

 秀介はサッカー部に所属しているので、一緒には帰れないので必然的に一人で下校をする。

 しばらく歩いていると、大きな書店が入っている商業ビルの入り口があるが、俺は正面からは入らず裏の人気の少ない入り口からビルに入る。その方が学校の人に会う確率も低いし書店のラノベコーナに近く、一石二鳥だ。

 そして、いつもどうおり裏路地に回ろうとした時だった。

 若い女性の人の声が裏路地に響く。


 声のする方へと視線を滑らせていく、すると学園の天使とまで称される柑奈咲が柄の悪そうなデカイ男二人に掴まれていた。

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