第11話

あれから一週間、俺は星乃とは話していない。


結局、あの後どうすればいいかと悩んでいたがいい考えは浮かばず今に至る。


「どうしよう、一週間も星乃と話してないよ…」


今朝はいつものように日奈子と登校していたが全く会話が入ってこなかった。


「ねぇ本当に聞いてる?」


「うん…」


「絶対聞いてないじゃん!」


ああ、またから返事をしてしまったようだ…

本当にどうしようかと悩んでいると教室の前についてしまった…

俺が教室に入るなり声をかけてきた子がいた。


「藤宮、おはよう」


「うん、おはよう……星乃!?」


そう俺に声をかけてきたのは星乃だった。


「な、なんで?」


「なんでって、それは最近藤宮、話しかけてくれないから、私から話そうと思って」


話しかけて良かったの!


「よ、良かった〜」


「な、なんで泣いてるの藤宮!?」


だってよ〜。


「涼ちゃんなんで泣いてんの?」


おっといかんいかん、男が泣いていたらカッコ悪いよな。

それからというもの俺は一週間話せなかった分、星乃とめちゃくちゃ話した。


「やっぱ星乃と話してると楽しいな!」


「!…ありがとう/////…」


? 顔が赤いな星乃のやつ。


〜キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン〜


おっとチャイムがなってしまったな、名残惜しいが席に戻らねば。


「また後でな星乃」


「うん、また」


星乃とはまだ話したいことがあるからな何を話そうかと思っていると。


「涼ちゃん最近、全然お話ししてくれない!」


「何言ってる日奈子? 毎日喋ってるだろ?」


「む〜!」


なんでそんなにムスッとしてるんだ。


「とりあえず席に着くぞ」


今だにムスッとした日奈子は置いといて席に着こう。


俺が席に着くのと同時に先生が入ってきた。


「え〜早速だけど、転校生を紹介するぞ〜」


先生やる気ないな!


「入れ〜」


「はい」


俺は入ってきた女の子に見覚えがあった。


「はじめまして、わたくし、羽黒 琴音と申します」


なぜかその名前にも聞き覚えがあった。


「わたくし、藤宮さんのお隣がいいです」


「好きにしろ〜」


そんな簡単に決めていいのか!?


「藤宮ばかりずるいぞ!」


「爆死しろ藤宮!」


「チクショー!」


ほら言わんこっちゃない。


「黙りなさい! 藤宮様を愚弄するとは何事ですか!」


えっ 今様つけた? そんなことより今めっちゃ豹変したぞ!?


「「「すいません…」」」


「謝るだけでは足りませんよ、藤宮様に土下座をしなさい」


「「「はい!」」」


すると男子生徒は俺のところに来て土下座をしてきた。


「ちょとやめてよ、えっと羽黒さん? こういうことはやめようよ」


「……」


怖い睨まないで!


「藤宮様が許してくれたのでこのぐらいにしといてあげます」


とりあえず落ち着いてくれたか


「私が代わりに土下座します!」


なぜそこで割って入ってくる! 水島!


「誰ですか貴方? 藤宮様のなんなのですか?」


「何って友達だけど?」


俺はチラッと羽黒の方を見たら。


「友達…?」


絶対やばいやつだこれ!


「貴方ごときが藤宮様の友達だと……藤宮様に近づいていいのはわたくしだけ…!」


「誰がそんなこと決めたのよ!」


落ち着け二人とも…


「黙りなさい!」


先生なんで止めないの!?


「Zzzz」


何寝てんのかな先生!? ここは俺が止めるしか!


「落ち着けよ二人とも!」


「! なぜあんな奴をかばうんですか!」


今、あんな奴って言ったか?


「水島をあんな奴なんて言うな、水島は俺の大切な友達だ! 第一今日初めて会ったお前に様呼ばわりなんかされたくない!」


!やばい、ついカッとなって。


「初めて会った…」


「大事な友達…///」


羽黒がなんだか泣きそうになっていた。 流石に強く言いすぎたか?


「ごめん、流石に強く言いすぎた」


羽黒は少し黙り込んだ後先生に一言言って教室を出て行った。


「わたくし、帰ります…」


俺はまた気まずいことを!

あんなことがあった後だからクラスのみんなは放課後まで暗い空気のままだった。



「今日は本当疲れたな」


「あの人すごい人だったね、涼ちゃん」


いろんな意味ですごい奴だった。


「…様付け…良いかも」


様はやめてね星乃。


「大事な友達か〜」


なんで俺は恥ずかしいことを!


「そんなことより藤宮君、あの子 今私がやっているゲームのプ◯コネに出てくるエ◯コにとても似てたぞ!」


そこでボケないでください、七瀬さん!


「でも羽黒さんには明日ちゃんと謝らないとダメだよな」


だがそんな心配はする必要はなかったのだ、なぜなら彼女、羽黒 琴音が夜中に家を訪れて来たからだ。

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