第2話 図書館という名のニセの恋

俺の朝の目覚めは悪い、なぜならそれは…


「起きてー! 涼ちゃん!」


そう 毎朝、日奈子が起こしにくるのだ。

初めて起こしに来た時は、なぜ居るんだと思ったが母さんが日奈子に合鍵を渡していて。母さんになぜ渡したのか理由を聞くと。


「お母さんが居なくても入って来ていいように」


という理由だった。


「ねぇー 早く起きてー」


「今日は土曜日なんだから寝かせてくれ」


今日は大事な休日、休日は寝て過ごすと決めている。


「せっかく朝ご飯作ったのに、食べたら涼ちゃんと遊びに行こうと思ったのに!」


大きな音のする目覚まし時計だ。早く止めないと。

そう思い目覚まし時計に手を置く。


「何やってるの涼ちゃん 目覚まし鳴ってないよ 変なの。あははは!」


どうやら目覚ましは鳴り止まないみたいだ。 仕方ない起きるか。


「起きるから俺の上からどけ」


こいつさっきから俺の上にいる。そりゃ寝れるわけがねえ。


「分かった、どくね」


俺はベットから起き顔を洗ってリビングに行った。

すでに日奈子は椅子に座っており食べる準備をしていた。

そして俺も椅子に座りいただきますをした。


「「いだだきます」」


俺は野菜炒めを一口食べ思った、やっぱり美味いと。


「どうですか?美味しいですか?」


「なぁ、毎日聞く気か」


「当たり前だよ、涼ちゃんには毎日美味しいものを食べてもらわないと!」


「毎日にご苦労様、今日も美味しいよ」


そう言うと日奈子は一流シェフにでも褒められたように喜ぶ。 これも毎日見る光景。


「そう言えば、朝飯食った後どこか遊びに行こうとしてたけど、どこ行くんだ?」


と日奈子に質問すると。


「涼ちゃんが行きたいところに行きたい」


何だそれ、つまりは行く当てもないのに遊びに行きたいと言っていたのか。


「俺行きたいところないぞ?」


「えぇー、どこかあるでしょ涼ちゃんの行きたいところ!」


そんなこと言われてもなぁ、あ、そうだ。


「なら、図書館行こう」


「図書館?」


俺と日奈子は朝飯を食べ終え図書館へと向かった。

図書館に着いた矢先、日奈子が


「ねぇ、何で勉強してるの?」


「何でって、図書館に来たら勉強するだろう 普通」


「そ、そうなの? 図書館って本を読むところじゃないの?」


ふん これだから勉強しない奴は。

「勉強が嫌なら本を読めばいいだろ」


「分かった、本取ってくるね!」


バカ、図書館では静かにしろ!と心の中でそう思ってると日奈子はすぐに戻って来た。

「選ぶの早いな」


「そうかな、えへへ」


褒めてないよ、日奈子さん。

それから数分後、日奈子は俺の手をトントンと叩いてきた。


「何だ、日奈子?」


「このニ◯◯イって漫画、すごく面白いよ!」


おいやめろ! 色々アウトだから!

「面白いのは分かったから、タイトルは言わないようにしような」


「え〜良いじゃん、あ、私ね特に万◯花ちゃんと小◯寺 春ちゃんが好きかも」


本当やめてください、日奈子さん! 名前まで出すのは本当にやばいんで!

危ない話をしなんだかんだで数時間経った。


「そろそろ夕方だな、昼飯も食べてないし早く帰るか」


日奈子に問いかけるが返事がない、眠ってしまってるようだ。


「全く、仕方ないな」


俺は日奈子を起こし図書館を後にした。


「今日は楽しかったね、涼ちゃん!」


「日奈子は結局寝てたじゃねぇか」


「それでも楽しかったの! だって…」


日奈子は急に黙り込んだ。


「だって何なんだよ?」


「だって、今日も涼ちゃんと一緒に居られたから」


日奈子は昔から俺と居られて嬉しいとか楽しいとかどうしてそこまで俺にこだわるのか分からなかった。


「そうかよ」


そんな話をしているうちに家に着いた。


「また明日ね、バイバイ涼ちゃん!」


「おう。…また明日か…」


また明日も会う、まあそれが日課みたいなものになってるからな、悪い気はしないけどな。

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