ずっと一緒にいたいと思う私は嫌いですか?
白犬白猫太郎
高一編
第1話 幼馴染とは言いたくない!
俺の物語はあの頃から始まっていた。当時小学四年生の俺、藤宮 涼は夏休みだって言うのに遊ぶ相手がいなく暇を持て余し外をぶらついてた。
「あーあ、ゆうちゃんもかんちゃんも宿題終わってなくて遊べないって、全く宿題は夏休みが始まったらすぐ終わすものだろ」
そんなことをぐちぐちと言っていると背後から誰かが跡をつけていることに気づいた。
誰なんだ俺の跡をつけてんのは、まさか怖い人とか!
この時は行くあてもないままただ歩くことしかできなかった。
それから数分歩いていると後ろからくしゃみが聞こえてきた。
「ヘクチョン!」
聞こえてきたのはとても可愛らしいくしゃみだった。
もしかして後ろにいるのって子供なんじゃ。
そうだとわかった瞬間、怖さがなくなっていった。
今なら振り向けると思い後ろを振り向いたらそこには女の子がいた。
身長は俺より少し低くて髪は肩までの長さがあり色は栗色、目は茶色だった。
「もしかして、君がずっと俺の後ろをついてきてたの?」
「うん、そうだよ!」
なんて元気のある返事! じゃなく、なんでついてきたのか聞かないと。
「なんで俺の後をついてきたんだ?」
質問された女の子は迷うことなく。
「気になったから!」
えっ見ず知らずの人が気になって跡をつけてくる、普通!
「あのいつから?」
そしてこの質問にも迷うことなく。
「お家から!」
おう、お家からデスカ…
そうか、俺落し物したからこの子は跡つけてきたのか。
「俺 何か落し物したのかな拾ってくれてありがとう」
それを聞いた女の子は何のことみたいにキョトンとしていた。
ですよね〜 だって俺 何も持ってきてないもん。
「そうだよね、俺 落し物なんかしてないよね、じゃ俺 用事があるから」
そう言って俺は当てもないので公園に行くことにした。
「用事って公園で遊ぶことだったんだね」
何でまだ付いてきてんだよ!
「そ、そうだよ…」
どうやってこの子を家に返そうか。
この子をどう返そうか悩んでいると。
「ねぇ遊ばないの?」
「えっ、あ、うん」
唐突に声をかけられたのでうんと答えてしまった。
「そっかぁ、じゃあ次はどこ行くの?」
これはチャンスだ! これで家に帰ると答えたらこの子は帰るはずだ。
「もう帰ろうかな」
「わかった!」
それから数分 この子は帰り道まで付いてきた。
「君は帰らなくてもいいの?」
「今帰ってるよ」
「いや俺のことじゃなくて君のことだよ」
「だから、今帰ってるじゃん!」
もしかして帰り道が一緒なのかもしれないと思い無視することにした。
それからさらに数分後。
いつまでついてくる気だ、もうすぐ家だぞ!
そんなことを思っていると家が見えてきた。
家の前では母さんと知らない女性が喋っていた。
「ただいま母さん」
「お帰り、涼ちゃん。あら、もう日奈子ちゃんと友達になったの?」
日奈子ちゃんって誰だ?
俺が疑問に思っているとさっきまで母さんと喋っていた女性が
「日奈子もお帰り」
と言ってさっきから俺の跡をつけていた女の子を呼び寄せた。
「ママ、ただいま!」
えっこの子がに日奈子なの、まてよ何で母さんは日奈子のこと知ってんだ。母 さんに聞いてみよう。
「母さん、この子誰?」
「誰って昨日隣に引っ越してきた桜庭さんの娘さんよ」
昨日引っ越してきた桜庭さん? そういえば挨拶に来ていたような。
「涼君」
ふと日奈子のお母さんに呼ばれて振り向いた。
「うちの日奈子と仲良くしてね」
「はい」
俺が日奈子のお母さんに返事をした後に母さんが日奈子に
「うちの涼ちゃんとも仲良くしてね」
「うん!」
元気に返事をした日奈子。
「さあ、日奈子、そろそろ晩御飯の準備をしないといけないから帰りましょ」
「うん! あ、バイバイ涼ちゃん!」
「えっ、あ バイバイ」
ここから俺の物語は始まっていたのだ。
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