アジルスと草薙の拳(剣)【杉田智和/AGRSチャンネル】

 少年エース版『KOF94』の草薙京のポジションが絶妙だった、という話。


 株式会社の社長となった杉田智和氏が、当時の格ゲーキャラの扱いについて語る。




 このマンガ版は、KOFの看板作品なのに、主人公は「テリー・ボガード」である。



 理由について、真行寺たつや先生によると、


「新規主人公だと作品が立たないから、みんなが知っているテリーを主人公にした」


 ただ、本作は京を

「ダークヒーロー、アンチヒーローなライバル」

 というポジションで描いていたという。


 敵を倒しても「アンタの時代は終わったんだ」

 と上から目線で煽るというキャラだったそうだ。


 杉田氏は、この扱いが草薙京というキャラに一番合っていると説く。


 当時の格ゲー主人公は「リュウ」や「アキラ」のように、

「求道的、道を極めるために武道を行っている、ストイックな人」

 のイメージが強かった。


 それに対して、京は

「努力嫌い、彼女持ち。おしゃれ。誰かや世界のために戦わない」

 という設定があった。

 現代っ子の感性に言わせたのではないか、という。


 しかし、どの作品でも京はこんなやつではないという。

 別作品では、求道的で誰かのために戦う京も描かれれるらしい。


 そんな京と、テリーがKOFの決勝戦で当たる。

 その決着も劇的だったと、熱弁する。


 このお話は、「キャラの造形」だけではなく、

「キャラの的確な配置」

 の勉強にも、非常に役立つ。


 自分の作ったキャラがいまいち作中でパッとしない。


 それはおそらく、配置を間違っているのでは、と考えたほうがいいのでは。

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