第91夜 座敷童子

去年、お盆休みを利用して、実家に久しぶりに帰省したときのことです。

実家は築100年に近い古民家で、壊れたら直し、人が増えたら増築し、という感じで、僕の高祖父の代から住み継がれてきたものでした。


実家に帰ったはいいものの、僕の部屋は両親によって物置状態になっており、僕は普段使われていない離れにある客間で寝ることになりました。

客間は古いながらもきれいに掃除してくれており、僕は母に敷いてもらったお客様用のふかふかな布団で眠りにつきました。


深夜、僕は

「きゃははははっ」

という小さな子どもの笑い声で目を覚ましました。

実家には子どもはいないはずなのにと思って、僕は声の主を捜しました。

しかし、聞こえるのは声だけで、その姿はありません。

しばらく警戒していましたが、

『座敷童子か?』

と思い、危害を加えるような雰囲気もなかったので、その声を聞きながらまた眠ってしまいました。


翌朝、両親に昨夜の体験を話すと、

「あんた、小さい頃その子とよう遊びよったやないの。覚えとらんの?」

と母に笑って言われました。

僕が全く覚えていないと言うと、父からは

「代々うちの男の子はその子と遊ぶんや。久しぶりに帰ってきたんやから、遊んでやったら良かったんに」

と言われました。


もし、将来僕が結婚して男の子を授かったら、あの子と遊ぶことになるのでしょうか。

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