第2話 相棒との出会い

翌朝、俺は国の外れにある村の道の整備へと向かった。


ギルドからの手紙によると


— あの村は新しい伝統品の取引が始まり、運搬路にある石が邪魔なので取り除いてください


とのことだ。


それにしても、凄い量の石だ。小石から自分の背と同じくらいの石まで沢山ある。


— これで10000リルは安過ぎるのではないか?


そう思いながら石をどけていく。たまに休憩を挟みながら仕事を終わらせた。


「疲れたな…仕事も終えたし帰るとするか。」


そして帰路につこうとしたとき、けたたましい鳴き声と悲鳴が聞こえた。


辺りを見回すと馬車に乗った商人らしき人がグラスウルフに襲われていた。


普通弱い人なら逃げ出してしまうだろう。

だが俺の足は勝手に動き、商人の元へと向かっていた。


「大丈夫ですか!?」


そう問いかけても商人は怯えているばかりだ。商人は知力に長けているため戦闘はできない。


— グラスウルフか、俺じゃあ絶対勝てないな。最弱眼だからな…いや、だからこそ、最期は人の為に死にたいな……


「今のうちに逃げてください!」


そう商人に言い、持っていた剣をグラスウルフに振りかざす。

だが避けられ、【スキル】風刃で吹き飛ばされる。しかも剣も折られてしまった。


— いよいよ俺もおしまいか…


そう思い、ただ死を待っていた時だった。


「これを使ってくれ!!」


と何か商人が武器を投げた。


綺麗な湾曲した剣で初めて見るものだが、受け取った瞬間に、頭の中にこの剣の名称や使い方が入ってくる。


そして思わず笑ってしまった。


すぐにグラスウルフの前に立ち剣先を向ける。

そしてグラスウルフが動き出した時俺は頭に入ってきた使い方をする。


そうすると刀身は赤く光り炎が吹き出た。そして俺は技を叫びグラスウルフに降りかかる!


「火神紅蓮乱舞っ!!!」


そしてグラスウルフは燃え散り、跡形もなく消えた。これが俺の刀との出会いだった…。


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